キーファー・サザーランドがいい人を演じている航空管制官の人命救助ドラマ。今年一番泣かされた映画だからこれが一番。今、思い出してもウルウルもののエピソードがつまった娯楽映画の逸品。こういう映画を映画館で観ることができたってことがラッキーな一年でした。(今年の11月にビデオが出ました。)
今年のミステリー映画というと、「ダイヤルM」とか「ライアー」なんてのが面白かったのですが、この映画の乾いたユーモア、そして成り行き任せの気の長い復讐劇というところが不思議な味わいを出していました。復讐の成否が相手の自尊心にかかっているというのもなかなかユニークで、役者のうまさも光る一篇でした。
暮れに観たばっかの映画ですけど、ゲイコメディのように見せておいて、実は「愛し/愛される」ことの普遍的なドラマでした。ちょっと気取ってたヒロインの捨て身のプロポーズの顛末は如何に? 暖かくて厳しくて、ちょっと切ない物語、こういう映画大好きです。
「この森で、天使はバスを降りた」とどっちにしようか迷ったのですが、応援したくなるヒロインということでこっちを取りました。聾唖の両親との確執を暗くならずカラリと描いたセンスがうれしくて、そして、ラストの1秒で泣かせるという反則技の映画。映画館が明るくなっても涙目のままなのはかなり恥ずかしい。
これは、アニメというより冒険活劇としての面白さで堂々のベスト5です。ムーランの顔がアジア人のステレオタイプだという人もいますが、最近の日本のアニメのヒロインがみんな似たような顔してるのに比べたら、ずっと生き生きとしてキャラになっています。大画面のためのスペクタクルもバッチリの映画のごちそうになってます。
今年の犯罪スリラー映画というと「ブレーキダウン」「LAコンフィデンシャル」なんて面白いのが目白押しだったのですが、結局はこれが残っちゃいました。理由は結末に至るまでのスリラー映画としての部分がうまいということ。序盤から中盤にかけての、じわじわとくるスリラーとしての展開があってこその、あの結末だったというわけで、これってなかなかに贅沢な映画だったと思うわけです。(批評は賛否両論でしたね、これ。)
恋愛ドラマということで、これか「タイタニック」かどっちにしようか迷いましたけど、メグメグが出てるからこっち。どっちも臆面もない色恋沙汰を描いたものですけど、ドラマを二人に絞り込んだのが、好印象でした。たたずむ天使達の絵もよかったですしね。
色々な視点から考えさせてくれる映画ですけど、見終わって日がたつにつれて結構ホンワカした映画に印象が変わってきました。テレビの中の人生ってのが、ホンモノだろうが偽物だろうが、観てる方にはどっちでもいいんだから、そう目くじら立てることないよねーって気分になってきちゃいました。要は本人の問題かなって気がしてきたのは、はてさて、どうしてかしら?
今年のアクション映画ではテロを題材にしたものに「アサインメント」「ジャッカル」といった面白い作品があったのですが、その中では、ラストの力技の畳み込みで、この作品が頭一つ抜いていたように思います。派手なSFXによる見せ場に負けないだけのドラマを盛り込むことに成功して、見応えのある映画になっていました。
これは、ドラマを超えた「映画というメディアによる疑似体験」というすごい作品でありました。一人一人の人間ドラマが戦闘シーンになるとどっかへすっ飛んでしまう。それが戦争なんだと感じさせる映画になっていました。
滅多に邦画は見ない私が「女優霊」の脚本・監督コンビというのに誘われて観てしまったら、これが大ハマリの怖さ、面白さで大満足でございました。ショックシーンに頼らず、怖いけど目が離せない面白さで、ラストの落ちも見事でした。「リング」の面白さが続きの「らせん」でチャラになってしまったのが残念ですが、もうすぐ「リング2」が公開とのこと、ここは仕切り直して「リング」の面白さを継承してもらいたいものです。そして、恐怖の実体をギリギリのところで見せないスタイル(いわゆる見えそで見えないセミヌードタッチ)は維持していただきたいものです。