シティー・オブ・エンジェル
シティー・オブ・エンジェル
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City Of Angels
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人間に恋してしまった一人の天使がたどる運命とは? ピュアでナチュラルなラブ・ファンタジー。
の秋一番のラブストーリーと言えば、「シティー・オブ・エンジェル」。ご存知ヴィム・ヴェンダース「ベルリン・天使の詩」のリメイク版です。
こ天使の街ロサンジェルスには、姿を見せずただじっと人間たちを見つめる天使たちがいっぱい。その中の1人セス(ニコラス・ケイジ)は、女医マギー(メグ・ライアン)に恋をしてしまいます。執刀した患者の容体が急変し、目の前で死んでゆく患者を救えなかった彼女は、外科医としての責任を感じすっかり自信を失ってしまいます。そんな彼女をなんとか励まそうとするセス。彼は天使の掟を破り、彼女の前に姿を現すのですが・・・。
使たちは触れたり味わったり、匂いを嗅ぐ感覚がありません。彼らは人の心を読むことができますが、その運命を変えるほどの力はありません。彼らはただ、人をじっと見つめてやさしく寄り添うだけです。さらに天使たちには、人の死に立ち会って彼らの魂を天に導くという、死神みたいなお仕事があるのですが、これはオリジナルよりもはっきりと描かれています。天使たちはオリジナルと同様黒いコートを羽織った黒ずくめの服装ですし、演じるニコラス・ケイジは、人間じゃないから顔色も悪いし、愛する女性に触れることすらできない切なさにいつも泣きそうな目をして、一歩間違うとなんだか怪しいオヤジに見えなくもないです。
いうわけで、リメイク版の天使はオリジナル版よりもはるかに繊細で、傷つきやすく、人間らしい生々しさがあります。リメイク版の見どころは、ヒロインが天使の存在に気がつく過程でして、考えてみれば突拍子もない展開なのですが、この辺を違和感なく自然に見せてくれるのがいいですね。オリジナル版では天使の見た人間界をモノクロ画像で描いていましたが、今回はそうした映像的な工夫はなく、役者の演技とセリフだけで天使と人間の世界の違いを表現していました。俳優としてはとても難しい演技を要求されるわけですが、ニコラス・ケイジはかなり思い入れの入った演技でそれに応えていました。ですが、一歩間違うと前述したようにストーカーになっちゃう可能性もありますので、一瞬姿を現したセスを見て、ヒロインがいかに「ビビビ」と来たかが、この映画の重要なポイントになるわけです。
まぁ、ここまでは不運にも(?)オリジナルを見ていたばかりに、かなり理屈っぽい感想になってしまいました。ただし、その後はリメイク版ならではの展開を見せます。ハリウッドにしては珍しい切ないラブストーリーに仕上がっていて、最後の幕切れの余韻もなかなか味わい深いです。
魔女っ子★マキ
88721053@people.or.jp
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ただしオリジナル未見の方は◎です
刑事コロンボ級のインパクトある脇役が登場しないのが残念!
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