みてある記 ロゴ25pt.

シルクハット ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ

遊−A
博品館劇場にて
先日、博品館劇場で「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の再演を見て来ました。3年前上演され好評を博した舞台の再演という事で、当日券の立ち見でしたが、そんなことも気にならないくらい笑った芝居でした。

配役
ローゼンクランツ古田新太/ギルデンスターン生瀬勝久
ハムレット私市トロイ/オフィーリア小林麻子
クローディアス林 秀樹/ガートルード 赤司まり子
ポローニアス上田忠好/ホレイショー若松泰弘
アルフレッド菊地均也/座長すまけい
悲劇役者岡田 正
飯田邦博
大原康裕
トム・ストッパード
松岡和子
演出鵜山 仁
あらすじ
といっても、この芝居、話があって無いような感じなので、とても説明は難しいです。本来「ハムレット」の脇役である二人を中心に持ってきて、「ハムレット」の中では描かれない部分を主に、「ハムレット」の物語に紛れ混んでしまったロズ(ローゼンクランツ)とギル(ギルデンスターン)が、彼等を物語の世界へ引き込んだ悲劇役者の一座の座長と共に、悲劇の結末へと進んでゆく物語です。

俺達は何なんだ(ロズ・ギル)
あなた達は、ローゼンクランツとギルデンスターン、それで良いじゃありませんか(座長)
これから、何所へ行けばいいんだ(ロズ・ギル)
向かうところへ行けばいいんです。(座長)
何をすれば良いんだろう(ロズ・ギル)
やりたい事をやればいいんですよ。(座長)
ハムレットが居なくなったって事は、彼は俺達にとって死んだのか(ロズ・ギル)
もしくは、我々が彼に取ってみれば死んだって事かも知れません(座長)
注:このままのセリフではありませんので、ニュアンスだけ感じて下さいませ。

悲劇であり、かなり哲学的な問題を話し合っているのに、ロズとギルの会話が関西弁で繰り広げられ、二人のボケとツッコミが上手い具合に溶け合って、お腹をよじる程笑える、そして、ちょっと考えさせる舞台に仕上がっていました。
ギルを演じた生瀬さん、劇団「そとばこまち」の代表で、以前一度「そとばこまち」の公演を見た事がありますが、改めて、上手い人だと思いました。それは、古田さんにももちろん言える事で、この二人を見て、ハムレットを見ると、「人間外見が良いばっかりじゃ駄目じゃね」とつくづく思ってしまいました。
プログラムでプロデューサーがハッキリと書いているとおり、ハムレットとオフィーリアは、セリフも少なく、演技力より見目を重視した配役となったようです。特に、ハムレット役の私市さんは、米日のハーフで、世界を股にかけるトップモデルだとのこと、日本語のセリフより英語のセリフの方が上手な気がしました。そうすると、何ともハムレットの間抜けに見える事か、ロズ・ギルの丁々発止のやり取りの素晴らしさ。さらに、そこへすまけいの怪演(?)が加わり、何とも味のある舞台になりました。
前回の公演は、終了後にうわさを聞いて、今度やった時は是非にと思っていたのですが、これを見れて良かったと心から思える舞台でした。公演はすでに終わってしまいましたが、もし再演する機会があれば、、是非是非ご覧ください。損はさせませんぜ。
ある、エコーの役者さんのファンによると、かなり以前に、テアトル・エコーでも上演した事があるそうで、誰がロズ・ギルをやったのか、ちょっと興味のあるところです。