Digital Design


13-001
網目のリング
2006年6月
Shade 8.5 basic/PoseRay v3.8.18.390/Pov Ray v3.6
#10

[pdf]Adobe Reader 7.0で全方向からご覧頂けます
会社の仕事(CADによる原型設計)以外で始めて作成したものです。一応このまま積層造形にかけることが可能なデータになっています。
広く使われているShadeですが、CADユーザの感覚からすると非常に入力しにくいですね。もっとも、こちらに慣れている人は逆にCADが扱い難いと感じるのだと思いますが…
レンダラにPov Rayを使いたかったので、ShadeからWavefront objでエクスポートし、PoseRayでPOVメッシュに変換しました。そこから背景等に若干手を加えています。
13-002
格子のリング
2006年6月
Pov Ray v3.6
#10

表面に格子を切ったリングです。CAD(CADソフトという意味ではなく、PCを使ったデジタルデザインという意味)はこういった規則性のあるパターンは得意ですね。
全周裏抜きしてしまいましたが、実作時には下側は抜きません。
13-003
格子のリング2
2006年6月
Pov Ray v3.6
#10

表面に格子を切ったリングで、個々の格子表面を平らにしてある点が、一つ前の「格子のリング」と異なります。
こちらも全周裏抜きしてしまいましたが、実作時には下側は抜きません。
格子に石を彫り留めても面白そうですね。
13-004
セル・オートマトンによるテクスチャのリング
2006年7月
Blender 2.41/Pov Ray v3.6
#10

BlenderはCG用のツールですから本来はCADではありません。しかし、実に様々な形式のデータ出力が可能なので、実作のモデラとして利用することも不可能ではありません。実際にこれは機械造形可能な作りにしてあります。
これは「ごった煮マシン」と呼ばれるセル・オートマトン(PCで動く仮想機械)で機械的に生成したパターンを、凹凸のテクスチャとして立体化したものです。この手法を使うとイラスト等をレリーフにすることが可能なのですが、メッシュを細分化する必要があるので、データは大変重くなります。

「ごった煮マシン」は「別冊サイエンス コンピューター レクリエーション II」(Alexander Keewatin Dewdney 著/山崎 秀記 監修/日経サイエンス社/1989年)で紹介されているのですが、残念ながらインターネット上でも殆ど紹介されていません。この画像は今回使ったパターンです。
元々はFM77AVのソフトとして作った様な記憶があるのですが(僕はPCのプログラムも書きますので)、それをJavaに書き換えてブラウザ上で見られる様にしてあります。その画像をキャプチャし、メッシュにマッピングして立体化しました。
セル・オートマトンとは、何かしらのルールに従って状態を変化させる「升目」により構成される世界で、有名どころでは「ライフ・ゲーム」があります。同じ様にセル・オートマトンを工芸に適用した例としては、友禅の染め模様の生成がある様です。
13-005
セル・オートマトンによるテクスチャのリング うずまき
2006年7月
Blender 2.41/Pov Ray v3.6
#10

「セル・オートマトンによるテクスチャのリング」と同じ作り方をしたもので、「ごった煮マシン」のパラメータを変えて生成される模様を変化させたものです。多数の小さなうずまきで一面埋め尽くされています。
CADや機械造形は「工数の削減」ばかりが注目されますが、人の手を機械に代行させることばかり考えるのではなく、PCや機械ならではの使い方も面白のではないでしょうか。又そういった「置き換え以外」のアプローチをしなければ、新しさは生まれないでしょう。
しかし残念なことに、この世界には工業系に強い人が多くありません…。




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