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12月20日(土) 18:00 JST ゴールデンラディッシュ賞選考委員会が、本年度の受賞作品を12月6日に発表したことが関係者によって明らかにされた。先に発表されたノミネーション作品から選考された本賞の他に、特別受賞作および演劇部門賞も発表されたという。以下が関係者の手によって明らかにされた映画部門の全受賞作品である。各コメントは、取材の過程で明らかになった選考委員会における評価である。なお、順序は発表順である。
選考委員の中から、このような画期的な製品が入手できるのであれば、値段は敢えて問わないという。女性及びお出かけ前のメイクを欠かせない全ての人に明るい未来を提示して見せた功績は大きい。
ジョディが着てた白いキモノとわらじ二度と帰らぬ旅に出ようと云う旅支度のつもりなのか、はたまた単なる勘違いか、劇場公開時より話題を呼んだすちゃらか考証の成果。サブコントラクトで儲けさせて貰った日本企業からの心からの贈り物だった可能性も否定できない。
ジュリアの口びるはなぜか上品すぎる。ジュリア・ロバーツの魅力は大きくて、笑うと豪快下品な口元。メル・ギブソンと並んだポスターは、なぜか「偽物」であるとの評判である。劇中メルとのキスシーンが盛られていないことを暗示するかのごときポスターであった。
選考委員内でも好みの分かれる男性スターの髪型であるが、刈り上げは駄目、という一部の強い意見に抗し切れず、特別賞が授与された模様。
この作品は「沈黙」シリーズでも完結編でもないのだった・・・。思えば「沈黙」のつかない『暴走特急』のみが正当なる『沈黙の戦艦』の続編であり『沈黙の要塞』がシリーズ第2弾となったことが間違いの始まりであった。完結編とは単に日本の配給会社がこれ以上「沈黙」を邦題につかわない、それだけの意味なのであろう。 (★印が受賞者/作品)
ノミネーションはともかくこの1本限りであったので、本性の受賞は妥当なところである「とにかく見てはいけないものを見てしまった気分になるので」との説得力のある理由で見事獲得である。
パメラ・アンダーソン・リー : 男性誌におけるグラビアで注目を集め、アメコミの映画化作品で見事女優としてのデビューを飾ったパメラ、映画の出来もさることながら「カラダはともかく顔が恐い・・・」お姉ちゃんであって、演技力はそれをカバーするに至らなかったことが受賞につながった。 アリシア・シルバーストーン : バット・ガールでなくファット・ガールと陰口を叩かれた見事なプロポーションをソフトなボンデージのニュアンスでデザインされたコスチュームに身を包み、ダイナマイトセクシー、ウマ・サーマンに対抗してみせた演技が評価されてのノミネーション。ねね、でも「アメリカのコギャル」という紹介はもうやめにして下さいよ。『クルーレス』は94年作品だよ! レネ・ルッソ : いや、彼女じゃなくてもいいでしょう、この役は。だって、メル・ギブソンの奥さんでしょ?レネがやるなら見事な回し蹴り一発、犯人をぶっ飛ばしてくれなくちゃイヤです。こう受け身の芝居では全くいいとこなしというわけでノミネーション。 ジュリアン・ムーア : まあ、役が悪いと云えばそれまでだが、ここまでイヤで面倒な女を演じて、やっぱりイヤで面倒な女にしか見えなかったのは困ります。ともかく役柄に対する嫌悪感が彼女のノミネートにつながった。 ペネロープ・アン・ミラー : で、いつの間にかこんな映画に出るようになってしまったペネロープ・アン・ミラーも、作品選択眼の悪さを評価してノミネーション。売り出しのころは少し背伸びした役もこなした彼女が怪獣映画のヒロインでは、拍手喝采する向きもあろうが・・・『ベビーシッターアドベンチャー』のちょい役以来のファン(誰だ?)は涙が出てくるだろう。
ゴー・ザ・ディスタンス/藤井フミヤ : 「映画をぶち壊しかねない挿入方法を評価して」の受賞である。日本で意味もなく作られる日本語版イメージソングに比べればまだ救いがいのある、本家本元がからんだ日本語詞主題歌、日本語吹き替え上映のみのご披露かと思えば・・あちゃー、やってはいけないことをやってしまいましたな、ブエナビスタさん。そこまで日本市場に媚びなくても良い。 スピード・TKリミックス/テツヤ・コムロ : 単に前作のメインテーマをリミックスしただけにも関わらず、知らない人は作品のスコアを全部書いたと思いこんでしまうほどの大宣伝。そのいかがわしさを評価してのノミネーションである。しかも実際流れたのはエンドクレジットの一部だけではないか。
デニス・ロッドマン : 「客寄せパンダのくせに映画の雰囲気をぶち壊した存在感を評価して」の受 賞である。恨み辛みのこもったシリアスなストーリーに、妙に軽いこの男が絡むことで全てがお笑いと化し、クライマックスも妙に締まらないおまぬけでミッキー・ロークが爆死。ツイ・ハークのハリウッド・デビューを台無しにした主犯であると断定。 マイケル・ジョーダン : やはりバスケットボールのスタープレイヤーといえども演技は素人であることを見事証明した、記念すべき主演作でのノミネーション。 ジャック・ニコルソン : ポップで馬鹿な、論ずるのもあほらしくなる怪作で、一番面白くない演技をシリアスに長々と見せたことが評価されてのダブル・ノミネーションである。面白くないから逆説的に凄いというあたり、怪優の名をほしいままにするニコルソンならではであった。 アーノルド・シュワルツェネッガー : 主役はおまえじゃない。イモめ。
サンドラ・ブロック&クリス・オドネル : 「とにかく時代の雰囲気に合っていない、現代っぽさを評価して」の受賞である。本人たちにとっては一大事の恋とその破綻を、まるで中学生のままごと、高校生の意地の張り合いレベルで演じて見せた功績は大きい。上映フィルムが1本抜けたかのように感情が深まっていかないこのカップルであった。 バーブラ・ストライザンド&ジェフ・ブリッジ : 名前を観ただけで胸焼けが起こりそうに濃いカップルである故、その組み合わせそのものを評価してのノミネーションである。 サラ・ジェシカ・パーカー&ピアース・ブロスナン : 首だけになっても、イヌ女になっても、2人の愛は永遠だと誓ってしまえる恐るべき浮き世離れカップルの、見るに忍びない末路に同情してのノミネーションであった。 ジュリアン・ムーア&ジェフ・ゴールドブラム : 何故あの数学者はあのようなむかつく女に惚れなければならないのか、全く必然性を見いだせぬまま、いや、その必然性を見せることの出来ないまま映画が幕を閉じた今、我々観客はこの必然性のないカップルをここにノミネートするしか他に、やりきれない思いを発露することが出来ないのである。 デボラ・アンガー&ジェームズ・スペイダー : 2人並べた時の倦怠感は、恋愛のなれの果てかと思えば空しく、生きる望みを失いそうである。勝手にしていてくれカップル#1であった。
デイヴィッド・コープ : つじつまの合わないラストシークエンスに象徴される、くず脚本#1であるが、そのようなくずの横行するハリウッドにあって、その自らの脚本の「不出来を恥じて、自らTレックスに喰われて見せた潔さ」を評価しての受賞である。 R.エメリッヒ& D.デブリン : いつものことであるが、このカップルにまともな脚本を期待してはいけないのであった。エイリアンのコンピュータに、アップルのパワーブックで簡単にネットワークリモート接続出来てしまい、「地球型」コンピュータウィルスが有効であったりするご都合主義は、かつて風邪のウィルスで死滅した火星人のパロディであることを差し引いても凄すぎるのであった。 スピード2 : これほど終始一貫してつじつまも合わなければ、盛り上がりもしない展開は、おそらく本年度#1クズ脚本によって生まれたモノである。全てが前作のパロディであるという前提に基づいてのみ、許容されよう。 ダブル・チーム : なんとかしてくれぇ。 ロバート・マーク・ケイマン : 主演者にまで「クランクインしたとき脚本がなかったんだ」と言わしめた、この映画の脚本って一体なんだ?という興味で観客を劇場に誘い込んだ、巧妙な宣伝戦略を評価してのノミネーションであった。
ザ・エージェント : ソニーピクチャーズときたら、情けない邦題をつけること#1の配給会社である。同じトム・クルーズの『ア・フュー・グッドメン』はそのままカタカナにして冷笑を浴び、『ザ・シークレットサービス』『ザ・インターネット』で冠詞コンプレックスをさらけ出し、そして今、「それをいうならジ・エージェントだろ!」と中学生にまでつっこまれる迷タイトルを生み出した。しかし、パンフレットにもあるようなジェリー・「マクガイヤ」という誤読がタイトルになっていたらもっと仰け反ったであろう。ともかく本質を理解せぬ最低の邦題であった。 沈黙の断崖 : この作品の邦題については、すでに特別受賞という形で評価が行われたので、この部門での受賞は見送られた。 デビル : そもそもわかりづらい原題を勝手に省略したために「で、誰がデビルなの?」という勘違い突っ込みまで誘発した責任は重い。そこを評価してのソニーピクチャーズ、2本目のノミネートである。 フェイク : フェイクという英語の持つ「いかがわしさ」を理解しない、典型的な勘違い邦題であることが評価になった。 ファイナル・プロジェクト : 誰が最後だといったんだ?返還前の香港で作った最後の作品?あっ、そう。
ジェイソン・パトリック : ダブルノミネートで甲乙付けがたく、結果ダブル受賞の栄誉に預かったのは「これだけ話題作に出ていながら存在感も髪の毛も薄いこと」を評価されてのJPである。彼が出演していなくても、誰もそのことに気付かない可能性があるというのは、主演男優としては画期的なことだと思われる。 エリック・ストルツ : かつてのスターがそうそうに怪我をし、あとはベッドで寝たきりという。なんのために出演したのかよく分からない役所でまで金が欲しかったのか、ストルツ。そこまでして出演したかった映画【アナコンダ】は確かに素晴らしい出来映えで、本年度#1秘境アドベンチャーではあるのだが・・・。 ウィレム・デフォー : 一目見てそれと分かる悪役面を生かした怪演技は、作品の分けわからなさを助長するだけなのであった。 クリス・オドネル : ラストシークエンスの「ふてくされて見せてる演技をしているクリス・オドネル」を演じきった演技力には感嘆せざるを得ない。ほかに、バットマンのホモだちを演じて見せているクリス・オドネル、を演じて見せた記念すべき年であった。
ヤン・デボン : 「『スピード』『ツイスター』で見られた、いい意味での勢いがない。」「勢いで作っちゃった」「クルーザーの「大きさ」に振り回された(押しつぶされた?)感じ」「(脚本によって)残された疑問を吹き飛ばしてくれる程の爽快感のなさ。」と罵詈雑言をあび放題の本作は、海岸に船をぶつけてみたいという思いつきを、ヒットした作品の続編だったら金が出る、という事実につけ込んで実現した、壮大なる我がままであり、かつ前作のパロディを真面目に撮るという試みでもあった。俎上にのせるのもはばかられるような駄作をヒットさせた功績(いや、本国では見事にこけたのだが)を評価しての受賞となった。 スティーブン・スピルバーグ : 弟子のゼメキスの方が今や一枚上手であり、プロデュースしたMIBの方が数段面白く、かつヒットしている事態をみても、かつての緩急自在なリズムを失い、この程度の「娯楽」映画しか作れなくなったスピルバーグの後退を示している。シリアスな映画も良いが、「シリアスなテーマを持った、しかし誰でも楽しめる娯楽映画」をこそとれる監督じゃなかったんかい?君は。この程度で満足するなよな・・・。 バリー・レビンソン : 売れた小説、売れっ子俳優にベテラン演技派を揃えて、この程度か・・・というみるも無惨な作品に仕上げたバリー・レビンソンの危機は深刻である。プロデュースした『フェイク』の方が数段上手であることをみても、嘲笑を浴びぬ間に復活の快打を放つ必要があるだろう。 バズ・ラーマン : マジなのかパロディなのか、笑っていいのか泣いていいのか。最初の勢いを持続させられない力不足を露呈した。 スティーブン・ホプキンス : 直球勝負、ひねりなしの作風がこれほどマッチするくだらない企画を選び出した感覚には脱帽である。『エルム街の悪夢5』以来、バジェットも大きく、メジャー大作路線に順調に出世しながら、今後もしばらく「期待できない監督リスト」から名をはずすことは不可能だろう。
スピード2 : ともかく、1億4千万ドルをヒット作の続編ということで惜しげもなく支出した20世紀フォックスは、制作費をだまし取られたとしか思えない。それで受賞。 スリーパーズ : スターを揃えて、昔の栄光を引きづる監督を招き、犯罪者を無罪にするストーリーの映画を製作した功績を評価してノミネーション。 ロスト・ワールド : ユニバーサル伝統のモンスター映画が、かくなる形でしか存在し得ないことを確認して見せたことを評価してノミネーション。 ゴースト&ダークネス : ウィリアム・ゴールドマンが脚本書こうと、マイケル・ダグラスが出演しようと、実話だと宣伝しようと、人喰いライオンの話は人喰いライオンの話でしかないことに気がつかなかった点を評価してのノミネーションである。 ラストマン・スタンディング : 黒沢のリメイクにあえて手を出し、見事に失敗した点を評価してのノミネーションである。 澤井 隆(さわい たかし)
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