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澤井隆の 1997年の映画ベストテン 澤井です。 ま、恒例というかなんというか、この1年に劇場で見た映画から、お気に入りを並べてみることにします。 今年は、およそ60本の映画を見にいくことが出来ました。まあ、この程度出かけることが出来れば割と幸せな気分です(^^)2週間映画館にいかないと禁断症状が出ますからねぇ。しかし・・・なんというか、今年は10本選ぶのに苦労しました。一部の超お気に入りをのぞくと、次のレベルは15本くらいあるのですよね。そこそこ良く出来ていて楽しんだ作品は多かったんですが、全般的にはそれほどレベルの高い作品が多かったわけではないのかもしれません。あるいは、そこそこのレベルの映画がたくさんあったのかしら?以下10本は、少しルール違反して「僕が今年見たから、たとえ来年公開でも今年の映画なのだ!」という我が侭を通しています(笑) 今年の10本!【Favorite 10 films 1997】 第1位 Jerry Maguire (邦題「ザ・エージェント」) もう、文句なしに今年の1本です。キャメロン・クロウが綿密なリサーチを重ねながら書いた脚本は、定番な展開を微妙にはぐらかしながら、主人公の挫折と再生を心地よく見せ、人生にとって本当に意味のあることとは何なのか、筋を一本とおしてくれました。トム・クルーズも、レニー・ゼルヴィガーも、ジョナサン・リップニッキーも、キューバ・グッデンJrも、予期せぬ名演で、何度繰り替えしみても、その都度味わい深い最高のコメディ映画。この映画を見ている時間の幸福は、他の何にも代え難いとさえ思います。第2位 Face/Off (邦題「フェイス/オフ」) 日本公開は年明けになりますから、ちょっとルール違反。でもここに挙げずにはおられない、あんな興奮を味わったのは久しぶりです。(来年の10本にも入れている可能性大)ニコラス・ケイジとジョン・トラボルタ、2人の演技派が、それぞれ善と悪の両方を演じるという仕掛けもさることながら、エモーショナルなレベルに高まっていくドラマの密度、華麗なダンス・ステップを思わせるアクションシーンの過激でありながら崇高な美しさ、絶妙のリズムで見せ場を仕切る小気味の良い演出。荒唐無稽なストーリーに、まさか涙絞られるとは、ジョン・ウー監督に脱帽です。第3位 That Thing You Do ! (邦題「すべてをあなたに」) トム・ハンクスが撮った、愛らしく、ほろ苦く、ノスタルジックで心の片隅でいつも輝いている最高の思い出のようなこの作品。楽しく、爽やかで、凝りに凝った完全オリジナルの60年代風の曲が耳に嬉しく、繰り返し演奏される架空のヒット曲が忘れられない1曲になる!トム・エヴェレット・スコット、リブ・タイラーの親しみやすい笑顔に、いつまでも魅入っていたい、永遠に終わって欲しくない、短い108分。第4位 She's the One (邦題「彼女は最高!」) トム・ペティ&ハートブレイカーズの、のんびりとした歌声で幕を開けるこの映画は、台詞の洪水のようで、その絶妙の台詞が転がしていく、平凡なようで突拍子もない人生のスケッチ。抱腹絶倒ってこういうことなのかっ!お可笑く、哀しく、やっぱり笑ってしまう、どうしようもない男たちと、ちょっと格好の良い女たち。でも、人生って、晴れの日も、雨の日も、風の日も雪の日もあって、だから素敵なんだと足どりも軽やかに劇場をあとにできる爽快さ。第5位 The Fifth Element (邦題「フィフス・エレメント」) 馬鹿な映画だよなぁ、と思いながら、そのめちゃくちゃならんちき騒ぎにまんまと乗せられて、一緒になって大騒ぎしてしまう楽しさ。パロディだったり、お遊びだったり、でも最後にはパーフェクトな女性を待ち望んでいた不器用な男の、不器用なラブストーリーに帰着するにおよんでやっぱりリュック・ベッソンだと、にやにや笑い。見る度に新しい発見のある、ヴィジュアルなおもちゃ箱。(でも何で5位にしちゃったんだろ?・・・と後で突っ込みを入れたくなってしまった僕。それほどの映画か?)第6位 Steven King's The Night Flier (邦題「ナイト・フライヤー」) 新しい才能を発見した興奮、短編原作の水準を軽く超越して、しかもキング小説の持つ匂いをここまで再現して見せた、それが新人監督マーク・パヴィア!どうやらホラー専門らしいので、メジャーなブレイクは望めないかもしれないけれど、今後に期待したくなる本格的なゴシック・ホラーの傑作でした。新しい才能を発見したのだという、確かな手応えのある作品で、レイトショーを見終わった後の夜の町が妙に明るく見えて、上映時間の心底「漆黒」の闇の中にあった実感が沸いたものです。第7位 Scream (邦題「スクリーム」) 冒頭15分でまんまと作品世界に引きずり込まれ、不安感と薄気味悪さと不快感と病的な笑いのジェットコースターは、もう止まらない。ホラー映画のパロディにとどまらず、ホラーという映画のジャンルそのものに言及するかのごとき作品存在の重層構造に、作家の批評家精神をかいま見ることが出来ます。ウェス・クレイブンは、定番のショッカー演出を巧みに操り、面白くも怖ろしい、世紀末のスラッシャームービーを見せてくれました。第8位 Phenomenon (邦題「フェノミナン」) トラボルタの笑顔を見る映画!エリック・クラプトンの、ブライアン・フェリーの、その他数々の心地よい曲を楽しむ映画。悲しい結末を迎えるのに、何でこんな幸福感に満ちているんだろう、なぜこんなに平和な気持ちになれるんだろう。人の善意を信じてもいいような、そんな優しい気持ちになれるところが好きです。第9位 Lost Highway (邦題「ロスト・ハイウェイ」) お馴染みのビル・プルマンが、思わぬ役を振られて、掟破りな展開を見せるこの映画はまるでエンドレスな悪夢を見ているような不思議なドラッグ感覚。支離滅裂なメビウスの帯。砂漠の中のブラックロッジ。脳髄を刺激し、夢に侵食する出口のない迷路、はまったら止められない禁断の快感!こんな映画、ありですか?ビデオの宣伝にあった、強烈な一言「いかがわしい映画。」そう、こんなにいかがわしい映画にはついぞお目にかかったことがない・・かもしれない。第10位 The English Patient (邦題「イングリッシュ・ペイシェント」) 文学に距離感を持っている僕が、脚本と原作を読み比べてみたいという衝動にかられるとは。砂漠・冒険・戦争・道ならぬ恋。そのドラマチックな脚色に、美しいキャメラに、異国風のスコアに、深い悲しみに、恋の激しい衝動に、静けさに、優しさに、艶かしさに、ミステリアスな語り口に、その格調に、その総てに、陶酔させられた2時間と40分。(ついでに、いかがわしい映画ばかり見ている人でないこともアピールできるし?)10本並べて、フラストレーション。まだまだ楽しかった、まだまだお気に入りの、まだまだお勧めの映画が一杯。泣く泣く10から外したお気に入りの映画。 他にも結構お気に入り…【Favorite films plus 10】 Contact (邦題「コンタクト」) ゼメキスは師匠スピルバーグをこの1本で完全に越えた様な気がするのです。ジョディだけでなく、脇役の快演・怪演も嬉しい。Mars Attack ! (邦題「マーズ・アタック!」) 指で円を描く火星人を見て「Look, International Sign of Donut!」・・・んなわけないだろ(笑)Men in Black (邦題「メン・イン・ブラック」 ソネンフェルドの脇腹くすぐりの波状攻撃、センスの良さに脱帽。後で思い返すとだんだん凄い映画だと思うようになる不思議。(夏にみたので、ここにのせます。)My Best Friends Wedding (邦題「ベストフレンズ・ウェディング」) キャメロン・ディアズの歌声と、ルパート・エヴェレットのぶっとび、ロブスターも合唱、それだけで許します。Every One Says I Love You (邦題「世界中がアイ・ラブ・ユー」) 高級宝石店でのタップダンスが一番のお気に入り。楽しいなぁ、幸せだなぁ、面白いなぁ。一緒に唄いたいなぁ(笑)The Associates (邦題「チャンス!」) ウーピー映画の中でも特上の部類。目新しくはない物語も、味付け次第ですね。脇に配したダイアン・ウィーストがミソ。アカデミー女優の共演作なんですよね・・・。One Fine Day (邦題「素晴らしき日」) 子役が今ひとつ好きでなかったけれど、恋の予感と一日の疲れで眠りこけてしまう幕切れ、大好きです。Donny Brasco (邦題「フェイク」) アル・パチーノの演技は圧巻、役者の演技を見て楽しむ映画って、実はあまり多くはないですよね。ラヂオの時間 まあ、邦画の代表と云うことで(?)雪だるま式に事態が困難になっていくテンポがいいですね。ハリウッド製コメディに慣れた目で見ても、退屈しないスピード感に満足です。 今年1番のスタートレック映画(?) Startrek / First Contact (邦題「ファーストコンタクト」) 他と比べられませんので(笑)お気に入りの挿入歌・主題歌【Favorite Songs】(?)
というわけでございました。他の方のお気に入りと重なるの、重ならないのいろいろありますけど、重ならないのは見損なっている場合が多いですね・・・。毎年公開される映画の本数からみたら僕が劇場に出かけるのなんてほんの一部。しかもビデオでチェックしないひとだから、こりゃまた漏れる作品も多いわけです。でもまあ、みにいかなかったっつうことは、見に行くほどの興味をそそられなかったという云うことかもしれないなぁ。というわけで、今年のお気に入り、以上です。 澤井 隆(さわい たかし)
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