コンエアー |
空の「ザ・ロック」ともいうべきハードアクションだそうですが、この映画の音楽を手がけているのが、「スピード」「ツイスター」のマーク・マンシーナと、結構有名なギタリスト、トレバー・ラビン(バンド名失念)が組んでいます。囚人のイメージをノイジーなエレキギターで、そして主人公のキャラクターをアコースティックギターとストリングスで描写しているようでして、弦にこだわるあたりが、トレバー・ラビンの担当部分なのでしょうか。オーケストラとシンセサイザーを組み合わせたダイナミックなアクション音楽はいかにもマ
ンシーナという音作りでして、きっとこれが画面で弾けると、ドラマが盛り上がるに違いないと思った次第です。CDだけ聞いても分刻みのサスペンスと、大仕掛けなヒーローアクションが見えてくるようです。エレキギターのソロがギンギンになってるうちに、打楽器がリズムを刻み始め、そこへオーケストラがかぶさってくるというパターンがなかなかに聞きごたえあります。
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イベントホライゾン |
これは、宇宙を舞台にしたホラー映画です。音楽を担当したのが、「ダイハード」や「未来世紀ブラジル」などで有名なマイケル・ケイメンと、そしてテクノ系サウンドユニットのオービタルです。おどろおどろしいオーケストラ音楽に急にシンセポップが割り込んでくるという不思議なサウンドで始まるCDです。ケイメンはホーンセクションもストリングスも低音のパートを前面に出して、重厚な音作りをする人ですが、そこへコンピュータノイズのようなシンセサウンドも加えて、無機質的な現代音楽をタップリと聞かせてくれます。このC
Dには、「映画の音楽&映画からインスパイアされた音楽」と書かれていますので、全曲が映画で使われているわけではなさそうです。しかし、1枚のアルバムとしては統一は取れていまして、映画の中ではどうなっているのか気になるところです。
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フェイク |
「この秋、心で泣かせる映画」と宣伝しながら、もののけの祟りか、随分と押しつまってようやく公開となる実録モノ。この音楽を手がけたのが、ケネス・ブラナーの一連の作品でおなじみのパトリック・ドイルです。彼には、同じくアル・パチーノ主演の「カリートの道」という素晴らしい作品がありましたが、今回はドラマチックと言うよりは静かなオーケストラスコアで全編をまとめあげています。マフィアだからといってイタリアっぽい音はつけず、オーソドックスな映画音楽になっているのがドイルらしさなのでしょうか。
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キャリー |
これは新作ではありません。1976年に公開されたスティーブン・キング原作、ブライアン・デ・パルマ監督の超能力SFホラーですが、どういうわけか、最近サントラCDが輸入盤ですがリリースされました。音楽を手がけたのが、その後デ・パルマと何本か組むことになるイタリアのピノ・ドナジオです。このテーマがいいんですよ。ピアノの音からフルートが旋律を奏でて、そこへゆったりとしたテンポでストリングスが重なっていきます。どこかで一度は聞いたことある曲じゃないかと思います。とてもホラーとは思えない美しいテーマから
、恐怖サウンドへと展開していくのが圧巻です。映画の評価も高いのですが、これで音楽の良さも再認識されるのではありますまいか。
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フロンティア |
これまた、サントラではありませんが、映画音楽の名匠ジェリー・ゴールドスミスが自作の宇宙関係の作品を、自らロイヤル・スコティッシュ・オーケストラを指揮した作品集です。「スタートレック」「エイリアン」「トータルリコール」なんてメジャーどころが聞けますし、「カプリコン1」とか「地球が燃えつきる日」なんて懐かしい作品もあるのが、ファンにはうれしいところです。しかし、「エイリアン」や「トータルリコール」はサントラがナショナル・フィルハーモニック・オーケストラを使った豪華サウンドだけに、ここで再録音
の必要あるのかなあって気もしちゃいます。よく、映画音楽の自作自演盤てのが出るのはいいのだけど、サントラより聞き劣りしちゃうのもございまして、モーリス・ジャールなんてサントラ作成時に物凄い人数のオーケストラを使うのが多くて、そんじょそこらのオーケストラでは音の厚みがかなわないなんてことがあります。今回はまあそこそこの出来ではないかと思います。サントラ盤より、イージーリスニング的
な聞き方を意識した編曲になっています。
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