夢inシアター
みてある記/No. 159

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ブラック・ドッグ
ブラック・ドッグ

単純構成のアクションロードムービー、トラックチェイスがなかなかの迫力。

Jun.26,1999 神奈川 シネプレックス8平塚シネマ3 にて


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身事故で免許停止状態、そして刑務所帰りのジャック(パトリック・スウェイジ)は、家の借金でどうしてもまとまった金が必要になり、社長が持ち掛けた胡散臭い運び仕事を引き受けてしまいます。そして、アトランタから簡易トイレだというコンテナを運転し始めます。横には戻りのドライバー、そして後ろには護衛だという自動車がもう一台。どうやら、普通の荷物じゃなさそうです、早速、追跡してきた車が発砲してきました。どうやら、荷物を狙う連中がいるようです。一方、FBIの連中もこのトラックを追いかけていたのでした。すごーくやばい状況に巻き込まれてしまったジャックの運命やいかに。

レビのコマーシャルを観る限りはどういう映画か見当がつきかねたのですが、やばい荷物を運ぶ羽目になった主人公がどうやってそのピンチを克服するかを描いたアクション映画でした。1時間29分という長さもうれしいタイトな小品というところでしょうか。主演のパトリック・スウェイジからして、何やらB級っぽい印象なのですよ。最初はもとヤクザかと思ってしまったくらいのドスの効いた面構えで、何やら過去を持った男という風情です。そんな主人公が、やむにやまれぬ事情で引き受けた裏の仕事、ところが予想以上にヤバイ仕事で、その結果妻や娘も巻き込んでしまう。Vシネマなんかで、竹内力か清水宏次郎あたりがやりそうな役どころです。エンドクレジットからみますに、配給元の東宝東和と丸紅がこの映画に出資しているようですので、ヤクザもののテイストを入れろと注文を出したのかもしれないです。

はいえ、この映画、アクションシーンはかなり頑張っているのですよ。重量感のあるトラック対決など、山道でのクラッシュなどかなり危険なスタントをしているように見えました。また、スウェイジ自身が走るトラックの背後に回るシーンを自分でやっているようなのです。カーチェイスシーンは、編集、アングル、音響効果など非常にていねいな仕事をしているという印象でした。オープニングの市街地のカーチェイスもローアングルの画面に、音楽と音響の迫力で見応え充分でした。ドルビーデジタルの左右サラウンドを駆使した音響設計も聞き物です。

た、アクションシーンの合間に描かれる人間模様の部分も、意外やていねいな描写でキャラクターを描き分けることに成功しています。特に、主人公と道中を一緒にする3人のキャラクターがなかなか面白くて、敵味方、密通者がよくわからないという展開から、男の友情にまで話を引っ張っていくあたり、ケビン・フックスの演出は要所要所をきちんと押さえて、娯楽映画としてとしてまとめあげました。特にへたくそな歌で主人公を悩ませた得体の知れない男に華を持たせるあたりはなかなかうまいと思ったら、この男を演じたランディ・トラビスというのが実際に有名なカントリー・シンガーだそうです。

トーリーとしては特にあっと驚く展開があるわけではないのですが、それでもそこそこ迫力もあって、予定調和をちょっと裏切るダメ押しがあったりと、全体の印象は滅法面白いアクションものになっています。ロケ主体の映画でそれほどお金がかかっているとは思えないのですが、カーチェイス部分で、スタント監督にビク・アームストロング、メカニカル効果に「スター・ウォーズ」や「レイダース」のキット・ウェストを持ってきたあたりは、要所は押さえたというところでしょう。ジョージ・S・クリントンの音楽は派手に鳴らしていますが、トラックの持つスピード感と重量感の両方を盛りたてることに成功しています。

ジャックナイフ
64512175@people.or.jp

お薦め度 採点 ワン・ポイント
○ 2点2点2点1点0点 ちょっと映画観に行くというならこういう映画がいいです。
女っ気がないのは今一つなのかな。
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