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Mighty Joe Young
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でっかいゴリラの映画です。そうそうヒロインはイケてます。
フリカで動物の研究をしていたヤング博士は、密猟者の銃弾に倒れます。その娘ジル(チャーリーズ・セロン)は、突然変異の巨大ゴリラ、ジョーと共に成長し、彼らゴリラを密猟者から守っていたのでした。そこへやってきたのがアメリカの自然保護局のグレッグ(ビル・パクストン)です。動物の調査が目的ではあったのですが、ジョーを見て、密猟者に見つかるのは時間の問題だから、アメリカの自然保護施設へ移すという提案をし、ジルも渋々ながら同意します。そして、ジョーはアメリカへと連れて来られるのですが、そのニュースを見て、一人の男の顔色がかわります。その男とは、かつてジルとジョーの母を殺し、子猿のジョーに指を噛み千切られたシュトラッサーだったのです.....。
つて「猿人ジョー・ヤング」という、「キングコング」の姉妹編のような映画がありまして、これはいわゆるリメイク作品というわけです。巨大ゴリラがアメリカへ連れてこられて、大騒動が持ち上がるという物語で、ゴリラスーツ、アニマトロニクス、CGなどを駆使して、巨大ゴリラが、ジープと追いかけっこしたり、チャイニーズシアター前を闊歩したり、遊園地の観覧車にぶらさがったりといった見せ場をふんだんに盛り込んだ娯楽映画にしています。リック・ベイカーのチームによるゴリラスーツが表情豊かなキャラクターを表現し、ドリームクエストやILMによるCGのチームがロングショットで自由自在に動き回るジョーを画面上に作り出しました。
の映画の監督であるロン・アンダーウッドと言う人は、モンスター映画の快作「トレマーズ」を撮った人ですが、一方胡散臭いエコロジー映画「シティ・スリッカーズ」も撮った人でもあります。今回も自然保護がテーマになっているらしいという話を聞いていたので、「ロスト・ワールド」のようなへんてこエコロジーのストーリーになっていたらやだなあという危惧は正直言ってありました。実際に本編を観た印象は自然保護の胡散臭さは感じさせない作りになっていました。お話はよくある展開という感じなのですが、全体的に快調なテンポで、さらにクライマックスはかなり盛り上がりました。
然保護と言ったときに、ジョーをもとのジャングルに置いておくと密猟者がやってくるから、どこか別のところへ移さなきゃいけないというのは、世の中にはゴリラと悪人がいて、その一歩上のレベルに善人がいるという図式になってしまうのが、胡散臭いところです。いわゆる種としての、ゴリラと人間の対立の図式になっていないのが人間が主人公になる自然保護ドラマの限界なのでしょう。しかし、映画はその胡散臭さを感じさせないように、ドラマをうまく流していきます。この辺りは、脚本(ローレンス・コナーとマーク・ローゼンタール)のうまさでしょう。さらに、ヒロインのチャーリーズ・セロンの魅力が、作品に娯楽映画として華を与えていまして、妙な説教臭さをうまく中和しています。彼女の整っているけどカラリとした美貌が、娯楽映画としてうまく機能しています。「トゥー・デイズ」「ディアボロス」などで色っぽい役どころが多かった人ですが、ここでは健康的なお色気が好感度大でした。
方、主人公であるジョーの豊かな表情は、愛敬があるというよりもペーソスを感じさせるもので、その分、怒りの感情を見せたときに、狂暴さよりも悲壮感を感じさせるあたりはドラマチックなキャラクターになっています。特に後半、親の敵に向かって怒りの表情を向けるあたりが見物です。そして、クライマックスは、親の敵も巻き込んでの遊園地でのスペクタクルになるのですが、ここで「タイタニック」のジェームズ・ホーナーが目一杯音楽を鳴らして、ドラマを盛り上げています。久々にストレートに盛り上がるクライマックスに、彼の音楽がジャストフィットしていました。その大盛り上がりの後のエピローグもあっさりとまとめて、妙に突っ込みを入れたくなるような隙を見せませんでした。みんなでジョーを救うためにカンパするってシーンがあるのですが、これを、偽善的ととるか、まず自然保護はこういうところからやるもんだねと納得するかによって、この映画に対する印象は、ずいぶんと変わってくると思いました。
構ホロリとさせるところもありますし、見せ場も多く、ヒロインが魅力的で、ジョーがよくできているので、そこそこ以上に楽しめる映画に仕上がっています。また、これを観た後、「ジャングル・ジョージ」を観て大笑いするのも一興かもしれませんです。
ジャックナイフ
64512175@people.or.jp
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娯楽映画として及第点の出来栄え、よくできてます。
☆一つはチャーリーズ・セロン嬢におまけ。
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