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Babe:Pig In The City
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これっていわゆる童話の世界。素直な気持ちで御覧あれ。
1999.3.27
神奈川 ワーナーマイカル茅ヶ崎シネマ2
にて |
羊犬として優勝しちゃったブタのベイブ、ところがこのブタ君が余計なことをしたおかげで、飼い主のホゲットさん(ジェームズ・クロムウェル)は大怪我をしてしまい、農場が人手に渡るかもしれない一大危機。奥さんのエズメ(マグダ・ズバンスキー)は、ギャラの出るイベントにベイブを連れて行こうとします。ところが乗り継ぎの空港でまたベイブの余計な会話がエズメを麻薬犯にしてしまいます。そして、乗り継ぎに失敗した一人と一匹は大都会で途方に暮れてしまいます。何とかホテルに泊まれたのですが、そこでエズメとベイブははぐれてしまいます。動物ショーの一座に入れられてしまったベイブですが、そもそも農場を救うのが目的ではなかったのかしら。
作は「ブタが羊を操る」というささやかな奇蹟に至るまでの物語を見せてくれたのですが、今回はより動物たちのドラマが中心です。都会ではぐれてしまったベイブが他の動物たちからバカにされているうちに、頭角を現すというには、前作と同じ構成ですが、今回のドラマの舞台が都会ということで、登場する動物の顔ぶれがチンパンジー、オランウータン、犬、猫といったメンツになっています。最初はベイブは周囲に迷惑をかけっぱなし、トラブルメーカーなんですけど、そんなベイブが周囲の動物たちから一目置かれてボスと呼ばれるようになっていきます。前作でベイブは牧羊豚になるつもりなんてさらさらなかったのに、成り行きでそうなってしまったのと同様、今回もなんとなく動物たちのボス扱いされちゃいます。ところが本人はその自覚がまるでありません。ただ、目先のことを何とかしようと動き回るだけです。しかし、そのジタバタぶりが事をいい方に運んでいくこともある、そこがおとぎ話のお約束になっています。
回は、都会の動物たちが悲惨な状況にあるというところをかなりじっくりと見せます。ホームレスの動物たちが捕獲されてしまうのをかなりじっくりと見せるあたりは、ちょっと重いかなという気がしたのですが、そこでベイブが妙に社会性に目覚めたりしないで、当人は頼りないブタのままなのが、この映画のいいところです。「マッド・マックス」シリーズのジョージ・ミラーの演出は、子供向けの物語を柱に置きながら、要所要所にシビアな視点を盛り込んでいますので、単なるお気楽なお笑いコメディにはなっていません。かと言って説教臭い映画にもなっていませんから、いわゆるベッドサイドストーリーの趣があります。悪役が出てきて、コワーいエピソードがあり、最後はみんながめでたしめでたしになるというのは、お母さんが子供に聞かせてあげるお話の典型ではないでしょうか。
んな中で、ちょっと趣向として気に入ってるのが、ベイブの飼い主であるホゲットさんの存在です。前作でも最後はホゲットさんの「よくやった、ブタ君」というセリフでしめてましたが、今回も最初と最後をこのおじいさんが締めました。オープニングとラストがきちんと対になっていて、最後のセリフはホゲットさんが締めます。ちょっと、子供向きの物語かなーとちょっと物足りないものがあったのですが、このエピローグでご機嫌になってしまいました。ホゲットさんを演じるジェームズ・クロムウェルはこわもて刑事や、大企業の重役など背広姿のキャラクターを演じることの多い名脇役ですが、ここでは田舎の農家のおじいさんを実にいい雰囲気で演じています。
々な視覚効果を駆使して、動物たちが実際に語っているように見えるのが見物です。また、ベイブの行った大都会がいろいろな都市(ニューヨークやらパリやら)を混ぜ合わせたイメージになっていまして、いかにもおとぎの国らしい絵を作っているのも楽しい映画です。
ジャックナイフ
64512175@people.or.jp
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こういう話を実写版でやっちゃうって企画がすごいです。
子供を連れてくなら、この映画オススメ。
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