夢inシアター
みてある記/No. 117

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メリーに首ったけ
メリーに首ったけ

- There's Something About Mary -

男心を狂わせるメリーをめぐる男達のチョー下らないドタバタなのだ!

1999.1.30 東京 日比谷映画 にて


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テッド
校時代のプロム、魅力的なメリー(キャメロン・ディアズ)をエスコートできる幸運を得たテッド(ベン・スティラー)ですが、その当日にチャックにタ×キンをはさんであえなく撃沈。13年後、それでも彼女が忘れられないテッドは、保険調査員ヒーリー(マット・ディロン)に彼女の居場所を探すように依頼するのですが、ヒーリーがメリーに一目惚れ。だって、メリーには何かがあるんだもの。そして、ヒーリーは彼女をストークしながら身分詐称して彼女に接近、一方ヒーリーのウソ報告に疑問を抱いたテッドも自分でメリー捜しに乗り出します。ところがメリーの周りのストーカーはこの二人だけじゃなかったのです......。

ヒーリー
力的な女性を巡る男達の物語と言えば、「竹取物語」になったかもしれない設定ですが、「ジム・キャリーはMrダマー」のファーレイ兄弟が、徹底的に下品なネタと、アブナい笑いを盛り込んで、ドタバタコメディの一篇に仕上げました。のっけのチャックにタ×キンをはさんでしまう件にしても、見せ方がクドイ。その他、メリーの弟がちょっと足りないヤツなのですが、これをまた笑いのタネにしてます。志村けんでも、ここまでやるまいという悪ノリぶりは、個人的にはお見事だと思いました。でも、人によっては気分を害する人もいるかもしれませんから、このあたり、万人向けの映画とは言えないかもしれません。特に犬で笑いをとる部分は、かなりアブナイのですが、動物嫌いの私には涙が出るほど笑えました。まあ、ホンモノが虐待されているわけではないことは一目瞭然ですから、ギャグとして見て笑い飛ばすのが正解でしょう。

タッカー
た、出てくる連中がみんな変、マトモな奴なんかいやしない。ヒーリーがメリーに近づこうとして、善人ぶろうとするけど、差別用語を連発してヒンシュクを買うシーンのおかしさ、メリーの松葉杖の友人タッカー(「マウスハント」のリー・エバンス)の障害ネタの笑い、さらに、メリーの隣人のバアちゃんが近隣の電話を盗聴しまくっているという設定、そして最後に姿を現す本物ストーカーの正体などなど、身近にありそうで、でもあったら変だなあってネタをめったやたらにブチ込みましたって感じの映画です。

ドム
ゃあ、そういうアブナイネタで笑いをとるだけの映画かって言うと、そうでもないあたりに、この映画の作者たちのうまさがあります。例えば中盤のヒッチハイカーのエピソードなど、古典的な勘違いシチュエーションで笑いをとるパターンですし、メインのドラマは冴えない主人公の13年目の純愛物語なのです。ラストのちょっと意外なまろやかな決着の付け方は、娯楽映画のツボをきちんと押さえたものだと思いました。

メリー
て、そのドラマの中心にデンと鎮座ましますのが、メリーことキャメロン・ディアズ嬢です。「普通じゃない」のような強烈な個性を与えられているわけじゃない、いわゆるマドンナ的なキャラクターなのですが、強烈な個性の男性陣を向こうにまわして大健闘しています。男を惹きつける「何かがある」ヒロインをなかなかの説得力で演じてみせました。出番がそれほど多いわけでもないのですが、タイトルトップもさもありなんの堂々のヒロインぶりです。私からすれば、ちょっとルトガー・ハウアーかドルフ・ラングレン入ってるコワイ顔系のお姉さんなのですが、きちんと魅力的なキャラクターになっているのがうまいものだと感心してしまいました。また、彼女が周囲のマトモじゃない連中に感化されてないところをきちんと見せたおかげで、メインのドラマが発散しないで、映画を見終わった後味もスッキリしたものになりました。

ギブス犬
あ、何が起こってもメリーは魅力的で変わらない、でも周囲の男達はその魅力に惑い、身を滅ぼしていくのだとすれば、メリーは「無自覚な悪女」なのかもしれません。でも、こういう女性って憎めないです。こういう女性が身近にいたらやっぱりこう思っちゃうだろうなあ。「だって、彼女には何かがある。」それだけに、この映画の結末は好きなんですよ。

ジャックナイフ
64512175@people.or.jp

お薦め度 採点 ワン・ポイント
△ 2点2点2点1点0点 子供向けじゃないし、デートのお供にもにもちょっと。
一言で言うと、くだらねー映画、でも好き。
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