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Armageddon
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地球にいん石が降ってくるってお話が、お約束の大盛り上がり。
まけの隕石を引き連れて小惑星が地球に向かってやってきます。ニューヨークは隕石のおかげでメロメロです。小惑星が衝突したら、人類滅亡は必至です。そのXデーまで、あと18日しかないってのに、打つ手がありません。最後の望みは、小惑星の内部で核爆発を起こさせること。しかし、そのためには、小惑星上で240メートルの掘削作業を行わなければなりません。そこで白羽の矢が立ったのは、石油採掘のプロ、ハリー(ブルース・ウィリス)です。宇宙飛行士の連中ではアテにならないと読んだハリーは自分の掘削チームを揃えて宇宙へ乗り出すことになります。しかし、何とか宇宙へ飛び立った彼らの前には様々な困難が待ち構えていたのです。
年のお正月の最大の超大作ともいうべき作品です。お話のスケールの大きさといい、実際のお金のかかり方といい、まさに超大作。「バッド・ボーイズ」でアクション映画のキャラクター付けにうまさを見せ、「ザ・ロック」ではスケールのでかい話を細かいエピソードの積み重ねで描ききったマイケル・ベイ監督が、さらにスケールアップした物語を丁寧にさばきました。非常に多い登場人物の、各々のキャラクターがきちんと描き分けられているのも、見事でした。
定の面白さもあります。地球の危機を救うのが、ブルーカラーの皆さんだったり、NASAと軍部の確執があったりと、構成的には「ザ・ロック」と似たところがあるのは気のせいでしょうか。また、かなりウェットな、浪花節的な展開も見せ、泣かせ所で、きっちりと見得を切るあたりは、あざとさギリギリの線ではありますが、感動の盛り上げには成功しています。その辺のハッタリの強さは製作者のジェリー・ブラッカイマーのカラーと言えそうです。しかし、ベイの演出は脇役のリアクションなどに、人間の奥行きを与えることに成功しており、ハッタリに説得力を与えています。
に、後半は徹底して泣かせの演出で見せるのですが、このあたりはアメリカ映画でも、日本人にわかりやすいタメや泣かせをやるんだねーと妙に感心しながら、泣かされてしまいました。できすぎの御都合主義は去年のお正月映画の「インディペンデンス・デイ」を思い出してしまいましたが、そういう都合よさはお正月映画には、むしろふさわしいと言えるのではないでしょうか、お祭りっぽくて。ホントのようなウソってのが娯楽映画の一つのあり方なら、この映画は、本筋で大ボラ吹いて、ディティールでリアルに見せようという、娯楽映画の王道を行く作品と言えそうです。
者に個性派をそろえているのも、なかなかに楽しく、特に、期待を裏切らないスティーブン・ブシェーミとか、変なロシア人でも善玉を演じたピーター・ストーメアあたりが印象に残ります。そして、ブルース・ウィリスがきっちりとヒーローしているあたりもお見事です。ベン・アフレックとリブ・タイラーの恋愛模様も絵に描いたような展開ですが、大風呂敷をひろげた大作には、こういう彩りも欠かせません。儲け役とはいえ、ウィル・パットンが離婚した妻に会いにいくエピソードなどホロリとさせるものがありました。この人、今回はウィリスの片腕という役どころを頼もしく演じましたが、「この森で天使はバスを降りた」の小心な敵役も見事でした。なかなかの役者さんです。
レバー・ラビンの音楽は、今イチ大雑把で印象に残るところ少なく、スタンダードの上下を切ったような、妙に狭苦しいシネスコ画面など、ケチつけられるところが結構あるのですが、それでも楽しく観ることができたのは、娯楽映画として、やるべきことは最低限押さえているからでしょう。ベイ監督の映画でお馴染みの登場人物のまわりをキャメラが見上げながらグルグルまわるショットも健在な娯楽映画の一篇といえましょう。
ジャックナイフ
64512175@people.or.jp
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見せ場テンコ盛りは、ホテルのバイキングランチの味わい。
ディナーとまでは言えないのはなぜかしら。
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