夢inシアター
みてある記/No. 108

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スモール・ソルジャーズ
スモール・ソルジャーズ

- Small Soldiers -

「グレムリン」+「トイズ」は結構アクション映画しています。

1998.12.23 神奈川 ワーナーマイカル茅ヶ崎シネマ3 にて


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度の新製品おもちゃのコマンドーシリーズはすごいです。人形だけど話して自分で考えて行動すします。コマンドーの使命はゴーゴナイトという別シリーズのファンタジー風キャラクターをやっつけること。ひょんなことから、アラン少年(グレゴリー・スミス)のおもちゃ屋に発売前のコマンドーとゴーゴナイトが1セット運び込まれました。そして、一晩置いといたらコマンドー部隊は勝手に動き出してゴーゴナイトを攻撃しようとし、ゴーゴナイトはどこかに隠れてしまいます。ゴーゴナイトのボス、アーチャーと仲良くなったアランですが、コマンドーはアラン少年の家族、ガールフレンドを巻き込んで、ご近所を戦場に変えてしまうのでした。

製品のおもちゃの人形、コマンドーシリーズとゴーゴナイトシリーズ、正義のコマンドーが悪の怪物ゴーゴナイトをやっつけるという設定がつけられているのですが、その人形に軍事用ICチップを使ったために、コマンドーは買った人間におかまいなくどんどん武装して、ゴーゴナイトをせん滅しようとし、それを邪魔するものは人間だって容赦しなくなりました。段々と暴走していくコマンドーたちに対して、ゴーゴナイトはいかにも魔法の国のRPGのようなキャラクターで、それもひたすら逃げ隠れするだけという情けない連中、そんな連中の間に挟まって人間たちがオロオロするという構成で、コマンドーの暴れっぷりがエスカレートするのが楽しいアクションコメディといったところでしょうか。徹底してドタバタを見せてくれるジョー・ダンテの演出は、妙な風刺や教訓のようなものを盛り込まないで、おもちゃに翻弄される人間をギャハハと笑い、本当にリアルなおもちゃたちをオーと感心する、大人から子供まで楽しめるファミリーピクチャーに仕上げました。

LMとスタン・ウィンストンのチームがチョーリアルなおもちゃを画面上に思う存分暴れまわらせました。クライマックスなどは、ほんとに軍団で攻めてくるコマンドー軍団をロングで撮ったり、移動ショットで追いかけたり、ホントにテクノロジーの進歩にはすごいものがあります。そのおもちゃたちが人間や猫とも絡むとあって、うーん、映画の魔法も来るところまで来たなあって感心してしまいました。ラストの水の絡む移動ショットなどどうやって撮影したのかと思いましたもの。

だ、映画のオリジナリティから言うと、何だか昔あった色々なものを寄せ集めてダンテが好き放題に料理したという印象でした。自作の「グレムリン」「グレムリン2」や「ロボコッブ」「E.T.」「チャイルド・プレイ」「トイズ」などの片鱗が見受けられましたもの。そんな中では、ヒーローにやられるために作られたゴーゴナイトの面々がちょっと面白かったです。最初からコマンドーに勝てっこないとプログラムされていて、完全に負け犬根性になっちゃてるキャラクターですが、そんな連中がそれなりに見せるラストの頑張りには応援したくなりますし、彼らが自分のふるさとを捜しているいう設定もラストにうまく生かされました。

場する人間の役者は、キルスティン・ダンストちゃんとケビン・ダン以外はあまり知らない顔ばかりなのですが、人形の声を演じる面々が豪華です。コマンドーのボスをトミー・リー・ジョーンズ、ゴーゴナイトのボスをフランク・ランジェラ、そしてその他、アーネスト・ボーグナイン、ジョージ・ケネディに、クリスティーナ・リッチ嬢と連中が人形の声をあてています。また、バービーちゃんみたいな女の子の人形をコマンドー達がゾンビーのごとく改造してしまうあたりの悪趣味さが笑えます。

楽をH10/12に来日公演をした、ジェリー・ゴールドスミスが担当し、軍隊ものらしい音をつけています。また「ジョニーの凱旋」「パットン大戦車軍団」といった既製曲を使ったオアソビも楽しい一篇になっています。考えようによっては「プライベート・ライアン」おもちゃ版と思えるシーンもあるのですが、あまりむずかしいこと考えずに「すげえなー」と楽しむのが正解のようです。

ジャックナイフ
64512175

お薦め度 採点 ワン・ポイント
○ 2点2点2点1点0点 活劇としての畳み掛けはお見事。
風刺といった毒はない意外と素直な仕上り。
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