リプレースメント・キラー
リプレースメント・キラー
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The Replacement Killers
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チョウ・ユンファ ビギナーの私でも十分楽しめたバイオレンス・アクション。
国人のジョン・リー(チョウ・ユンファ)はチャイニーズ・マフィアに雇われた腕利きの殺し屋です。彼の次の仕事は、ボスの息子を殺した刑事(マイケル・ルーカー)への復讐ですが、ジョンはこの仕事をドタンバで断念してしまい、彼は組織から命を狙われることになってしまいます。偽造パスポートを作るべく偽造屋メグ(ミラ・ソルビーノ)のもとを訪ねたジョンですが、そこにも追ってが機関銃を持って押しかけてきます。組織は彼を殺すために次から次へと殺し屋(リプレースメント・キラー)を送り込んできます。果たしてジョンは組織の追撃から逃れることはできるのでしょうか。
港映画の大スター、チョウ・ユンファのハリウッド進出第一作だそうですが、実は私はこの人の映画って観たことありません。「ナイス・ガイ」で初めてジャッキー・チェンを知ったようなもので、香港時代にどれほどの映画に出ていたかはまるで予備知識なかったのですが、そんな私でもなかなかに楽しめるアクション映画でありました。どちらかというと徹底的に銃を撃ちまくるという点ではマカロニ・ウェスタンみたいですし、弾をたくさん撃つわりには、なかなか当たらなくてトドメをさせないってのは東映の戦隊モノみたいです。
体的にリアリティのない超バイオレンスの世界が展開します。そして、シネスコの画面に映し出される絵のカッコいいこと。カッコつけすぎちゃうのん?という気もしますが、それがなかなかに決まるのですよ。常に移動するカメラ、銃を構えるキメのポーズ、要所要所のスローモーションという、これでもか的なカッコつけが、ぶっ飛んだお話とうまくマッチしています。そういうリアリティはないけど、設定は結構シリアスで、コメディタッチな部分はまるでないのですが、そこで主人公のキャラクターがうまく引き立てられています。チョウ・ユンファは今風の二枚目とはちょっと違うのですが、シリアスな設定に見合うだけの重みがあって、ドラマを背負うだけの奥行きが感じられます。最近のアメリカのアクション映画の主人公に、軽めのキャラクターが増えている中では、彼のようなチャールズ・ブロンソン的なキャラクターはこれから貴重になるのではないでしょうか。(まあ、そういう企画があればという話なのですが)
方、脇にはユルゲン・プロクノフとかマイケル・ルーカーといった渋目演技派を置いて、ユンファを盛り立てています。ミラ・ソルビーノも色々なジャンルの映画に出る人ですが、ここでは、なかなかにカッコいいアクション・ヒロインぶりが魅力的でした。ラストの別れのシーンなんて、ユンファと対等のカッコ良さでしたもの。監督のアントワ・フークワはエピソードの冗長になりそうな部分を細かく刈り込んだような演出で、1時間半弱の映画をテンション落とさずに見せきることに成功しています。でも、要所要所のキメの部分はきっちりとタメの演出をしていまして、ちょっと日本の時代劇(必殺モノみたいなの)を観るような趣もありました。
た、低音部を強調したような音響効果、パーカッション主体の音楽(ハリー・グレグソン・ウィリアムス)も聞き物です。特にウィリアムスの音楽は、アクションものの定番という感じの音なのですが、その中にヒーローの感情の部分が書き込まれていて、単なるドンパチ音楽に終わっていません。
ジャックナイフ
64512175@people.or.jp
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理屈抜きのカッコ良さに、はまれたら結構お得な映画です。
何でもやるなあミラ・ソルビーノ、役者やのー。
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