アニメの映画化なんだけどSFXを駆使して、もろにアニメの実写版。
フリカのジャングルに墜落し、取り残された赤ん坊が見事に育ってジャングルの王、ジャングル・ジョージ(ブランダン・フレイザー)になりました。そこにやってきたのはお金持ちの令嬢アースラ(レスリー・マン)ですが、変な婚約者ライル(トーマス・H・チャーチ)も後を追っかけてきます。そして、伝説の白いゴリラを見ようと奥深くに踏み込むとそこにライオンが、「アーアーアー」と駆けつけてきたのがジョージですが、何だかこいつバカでないの?言葉を話す賢いゴリラと犬みたいな象と一緒に暮らすジョージに、何となくひかれていくアースラですが、一方、彼女を連れ戻そうとするライルや、話すゴリラで一儲けしようというハンターたちがジャングルの平和を乱そうとしています。はたしてジョージはジャングルの平和を守ることができるのでしょうか。
プニングのアニメーションから快調な滑り出しで、笑わせてくれます。そして、何だかんだとやたらコメントを入れたがるナレーターの、妙に物々しいしゃべりがテレビシリーズらしい軽さを運んできます。後は徹底的にドタバタなのですが、テンポがいいので笑っているうちに1時間半があっという間に過ぎてしまいます。
グの典型は、ツタにつかまってやってくるジョージが必ず何かにぶつかるという、もう見たまんまのコテコテのお約束なのですが、こういうのが嫌いな方には不向きかもしれないです。私はこの類の、頭を使わないお笑いが大好きなので、かなり楽しんでしまいました。また、もう一方での視覚的な面白さということでは、言葉をしゃべるゴリラのおかしさとか、特に特殊効果で、まるで犬のような動きをする象というのが、すごくて面白かったです。多分CGなどを使っているのでしょうが、ちょっと前ならアニメでしか実現できなかった映像が、実写版として見られるのはうれしいです。この象の登場シーンは感心しながら大笑いでした。
半、舞台はサンフランシスコに移動します。そこでのジョージのカルチャーギャップによる笑いが当然出てくるのですが、あくまで軽快にさばいて、妙な大自然礼賛とかエコロジーっぽい視点を一切出さなかったところに好感が持てました。笑いをとることに専念した脚本と演出はなかなかあなどれないものがあります。そして、ジョージをお上りさんとか田舎者というふうに見せないセンスは買いです。
編に渡って細かいギャグを積み重ねていく、サム・ワイスマンの演出は、成功しています。クライマックスのドタバタもお約束の部分はきっちりとおさえて、娯楽映画としてきっちりとまとめました。役者では、2枚目ブランダン・フレイザーのヒーローだけどマヌケ(マヌケだけどヒーローかな?)なキャラクターがうまくはまりました。ちゃんと二枚目に見えるシーンもありますけど、あと、婚約者(最後に登場する設定が爆笑)とか、ヒロインの両親といった脇のキャラクターもきちんとドラマで笑いをとっています。
覚効果にはドリーム・クエストとジム・ヘンソン・クリーチャー・ショップが参加していまして、ゴリラなどのアニマトロニクスがお見事でした。また、実際の動物の名優達も動員されたようでして、「アウトブレイク」の感染サルも登場しているのですよ。どこまでがホンモノで、どこからがアニマトロニクス、その先どれがCGなのかよくわからない部分もありました。これだけの技術を使って、こういうおばかなコメディを作ってしまうあたりがアメリカ映画のパワーなのだと改めて感心しました。アメリカでは大ヒットだそうですが、日本ではどうかなあ、万が一、日本でもヒットしたら、スマスマあたりで香取慎吾がやってくれるんでしょうねきっと。
ジャックナイフ
64512175@people.or.jp
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お疲れ気分の方にお気楽コメディのおすすめ品。
下ネタ抜きのオバカな笑いって結構希少価値?
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