夢inシアター
みてある記/No. 91

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相続人
相続人

- The Gingerbread Man -

豪華キャストのサスペンスミステリー、役者で見せます。

1998.10.17 渋谷ジョイシネマ にて


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腕弁護士のマグルーダー(ケネス・ブラナー)はパーティの夜、知り合ったホテル従業員マロリー(エンベス・デイビッツ)を家まで送ることになり、一夜をともにしています。そのとき、彼女の父親が異常者で彼女にストーカーまがいのことをしていることを聞きつけ、力になろうということになるのですが、それがケチのつき始め。父親(ロバート・デュバル)を拘束し、精神病院へ送り込むことには成功しますが、父親は仲間を使ってあっけなく病院を脱走。そして、マグルーダーのもとには脅迫めいた写真が送られてきます。一夜の過ちが命のやりとりにまでなってきちゃった弁護士の運命やいかに?!

作はジョン・グリシャムの映画用オリジナルストーリーで、監督がロバート・アルトマンという強力が布陣による、スリラーです。役者がなかなかそろっていまして、ブラナー、デイビッツ、デュバルのほかにも、ダリル・ハンナ、ファムケ・ジャンセンといったきれいどころに、ロバート・ダウニーJrにトム・ベレンジャーという面々がミステリーを盛り上げます。と、言いたいところですが、ストーリーの意外性とかそういう類の映画ではありません。どっちかというと予定調和という感じでしょうか。メイン・プロットだけ追いかけると2時間ドラマと大差ありません。「ああ、やっぱり」的な展開は、お話がありがちなのか、それとも演出が素直すぎるのかどっちかなのでしょう。キャスティングから先の展開が読めるのもいただけないです。これで、後半で○○○○○が一切ドラマに絡んでこなかったらそれはなかなかに面白かったのですが。

も、展開は置いといて、役者はみな好演していまして、ブラナーは優柔不断な尻軽男を意外やきちんとこなしています。あまり誉められたヒーローでない役どころでして、半端なプレイボーイの自業自得ドラマにも見えるところが面白いです。また、エンベス・デイビッツが謎のヒロインという役どころをうまく見せました。最後の最後まで彼女のキャラクターが曖昧なままというのが面白くて、いろいろな解釈ができると思います。そのあたりは劇場でご確認ください。また、ロバート・ダウニーJrの相変らずの胡散臭さで印象に残ります。あと、ダリル・ハンナが全編黒ブチメガネでどっちかというとパッとしないキャラクターが意外で、またそれが結構はまっています。彼女はこれからこういう脇役でいい味を出していくのではないでしょうか。(個人的には「ラブリー・オールドメン」の彼女が好きなのですが)

た、オープニングの長回しの空撮や、夜間撮影、それにマーク・アイシャムによる音楽が一種異様な雰囲気を運んできます。アイシャムの音楽は久々のシンセによるドヨンとした音作りから、ラストのフリューゲルンホルンによるジャズタッチの音まで彼の音楽メニュー総ざらいという感じでなかなかに聞き物です。というわけで、印象に残る部分もあるのですが、肝心のメインのストーリーが今一つで、プラスマイナスとんとんというところでした。

ジャックナイフ
64512175@people.or.jp

お薦め度 採点 ワン・ポイント
○ 2点2点2点0点0点 いわゆるミステリー、それ以上は期待しないほうが。
この映画のダリル・ハンナが好き。
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