夢inシアター
みてある記/No.76

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仮面の男
仮面の男

-The Man In The Iron Mask-

ディカプリオのアイドル映画のようで、オヤジ映画のようで、果たして?

1998.8.23 神奈川 藤沢オデオン1番館 にて


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ランスのルイ14世(レオナルド・ディカプリオ)はわがまま暴君で評判がよろしくありません。そんな国王に心痛める親衛隊長ダルタニアン(ガブリエル・バーン)のかつての友人、三銃士のアラミス(ジェレミー・アイアンズ)は聖職にありながら、国王に反感を持っているようです。ポルトス(ジェラール・トパルデュー)は色気の衰えにお悩み深刻ですし、アトス(ジョン・マルコビッチ)はルイの横恋慕のおかげで息子を戦地に送られて恨みを抱いてます。長引く戦争に飢える市民に銃を向けようとするとんでもない国王にかつての三銃士はどう出るつもりなのでしょう。

ープニングでどこぞの牢獄に捕らえられている謎の仮面の男が登場します。でも、その説明はされないまま、ルイ14世のやりたい放題が展開していきます。我らがレオ様はまるでいいところなしのわがまま暴君です。あの「タイタニック」の素敵だったレオ様はどこ?とお嘆きの方も出るかもしれませんが、そういうレオ様には後半お目にかかれますので、しばしお待ちをということになります。

んな困った王様に、かつての三銃士は反旗をひるがえそうとするのですが、彼らの盟友ダルタニアンだけは「王に従う」として頑として聞き入れません。しかし、アラミスの腹の中には仮面の男を使っての王入れ替え作戦がありました。そして、それは実行に移されるのですが、そのあたりの展開は劇場でご確認ください。

うなると、オヤジ4人が物語の主役という位置づけになってきます。そこに米、英、仏の名優をそろえてなかなかに見応えのある物語を構築していきます。かつては運命を共にしてきた男達が最後にもう一花咲かせようというあたりがなかなかに泣かせる展開を見せてくれまして、各々の役者にそれなりの見せ場が割り振られております。どちらかというと、レオ様は彼らの脇に回ったという感じでしょうか。4人の中では一番熱演型のキャラクターを割り振られたジョン・マルコビッチが儲け役だったようです。息子を失った悲しみと作成遂行の中で次々と現れる新事実にとまどうあたりがお見事でした。彼に比べるとコメディリリーフ的なトパルデュー、狂言回し的な役どころのアイアンズはちょっと損な役回りではありましたが、それぞれのパートをきちんとこなしました。

の3人と対立する立場にあるガブリエル・バーンは友情と任務の葛藤あり、ラブロマンスありと結構おいしい役どころを控えめに好演しました。ストーリー的には彼がヒーロー一人占めになりかねないところをうまく他の役者とのバランスをとったという感じです。また、国王の母君にアンヌ・パリローというキャスティングは意表を突かれました。かつての「ニキータ」もレオ様のご母堂を演じるようになっているとは、時の流れをしみじみと感じてしまいます。

かなかにドラマチックな展開を見せるフランスのルイ14世秘話といった物語でして、エンドクレジットを見ると実際にフランスでロケされているようなのですが、引きの絵の少ない撮影とか、元気のいい音楽がアメリカ活劇しているせいか、イマイチ昔のコスチュームプレイの面白さ、ロマンといったものが感じられないのは残念でした。特に、ヨーロッパ映画なら、王の周りにもっと厚みのある顔ぶれを揃えるところをあまり印象に残らないような連中でお茶を濁したような気がしたのは私だけでしょうか。

ジャックナイフ
64512175@people.or.jp

お薦め度 採点 ワン・ポイント
○ 2点2点2点0点0点 英語をしゃべるルイ14世にロケされたフランスの人はどう思ったのかなあ?
物語の本筋が見えてくるまでがちょっと長い
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