-TAXI-
リュック・ベンソン製作・脚本のバイオレンスアクション巨編....ではない。
1998.8.20 東京 丸の内ピカデリー2 にて |
ピード狂のダニエル(サミー・ナセリ)は宅配ピザからタクシー運転手に転職しました。タクシーといってもスペシャル仕様の車ですから、街中でもその気になれば200キロのスピードでぶっ飛ばしちゃいます。一方、まるっきり運転の才能に恵まれない刑事エミリアン(フレデリック・ディーファンタル)はメルセデスと名乗る強盗団にいいようにコケにされっぱなし。美人デカ長のハートを射止めるためにも、何とか連中を逮捕し、手柄を立てたいのでした。ひょんなことから、ダニエルをスピード違反でしょっぴいたエミリアンですが、免停を許すかわりに彼にドライバーとして協力するように持ち掛けてきます。しぶしぶでも受けざるを得ないダニエルですが、果たして彼らは強盗団を逮捕することができるのでしょうか。
手なカーチェイスあります。派手な銃撃戦もあります。でも、これを犯罪バイオレンスアクションかというと実はコメディでしたという意外や意外の一編なのです。オープニングは猛スピードで街中を走る宅配ピザのバイクですが、ここからして何か妙なおかしさがあります。主人公のダニエルとその恋人が盛り上がっているのになかなかベッドインできないといった何かマヌケなお笑いシーンから、エミリアンが登場するにいたって、完全に映画はドタバタコメディの様相を呈してきます。なんでこんなのが刑事なんだって思うようなエミリアンのオマヌケぶりが笑わせてくれます。
の後も今一つ洗練されていないようなお笑いシーンが登場する一方、銀行強盗団と警察の攻防が描かれていきます。強盗団はあらかじめ予告をしておいてそのとおりに実行して逃げおおせてしまうという、お手並みが見事です。武装して人質をとることはあっても、決して誰も殺さずなんだかスマートに仕事ぶり、それに比べると銀行前に張り込んでいながら、みすみす連中を取り逃がす警察のおまぬけぶりが笑えます。それじゃ単なるドタバタコメディになっちゃうところですが、車が走り出すと俄然画面が引き締まるのですね。猛スピードで突っ走る車を同じスピードで追いかけるキャメラワークや、地面すれすれの空撮など、画面の迫力は大したものです。シネスコ画面ですので、前の方で観ると車酔いになりそうな、そんな迫力あるカーチェイスが展開します。
んなド派手カーチェイスで銀行強盗の物語なのに、人が一人も死なないってのがお見事な展開です。ラストでどうやって銀行強盗団を捕まえるか、その辺りは劇場でご確認いただきたいのですが、アメリカの刑事映画に比べるとほのぼのとした決着がうれしいところです。ジェラール・ピレスの演出は全体として軽いという印象でして、マヌケなお笑いもさらっと流してしまうのがいいところである一方、盛り上がりの部分は今一つという感じでした。リュック・ベンソンのような、盛り上げというかタメの演出をしないので、よくも悪くも全体的にはライトコメディに仕上がりました。
も、1時間半弱の内容で、見せるところはきっちり見せて、ギャハハと笑わせてくれるのは娯楽映画とのしての得点高いです。会社帰りに観るにふさわしい、屋台のフランス料理一点豪華主義の一品です。登場人物に濃いキャラクターはいないのですが、主人公の恋人役のマリオン・コティヤールの美人というよりキュートというのが似合うキャラクターが魅力的でした。
ジャックナイフ 64512175@people.or.jp
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お気楽に御覧になるなら最適のアクションコメディ ちょっと吉本新喜劇のテイストが?? |
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