夢inシアター
みてある記/No.73

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リーサル・ウェポン4
リーサル・ウェポン4

-Lethal Weapon 4-

シリーズものをそつなく面白くこなすリチャード・ドナーのうまさ。

1998.8.8 静岡 静岡ピカデリーにて


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意技が器物破壊の迷刑事コンビ、リッグス(メル・ギブソン)とマータフ(ダニー・グローバー)がオフの日に釣りを楽しんでいると、通りかかった貨物船から銃声が。そこでその船を追跡したら、中国からの密入国船とわかります。捜査の過程でチャイニーズマフィアがなにやら大きな取り引きを企んでいることがわかります。一方、リッグスの恋人ローナ(レネ・ルッソ)は臨月ですし、マータフの娘リアンも同じくというダブルおめでた状態。でも、リッグスはローナと結婚しようかどうしようか思案中ですし、マータフはリアンのお相手が気になるところで、公私ともにおいそがしのこのコンビ、その上、今度の敵、チャイニーズ・マフィアのクー(ジェット・リー)ってのがものすごく強いて悪い奴、果たしてコンビの運命やいかに。

リーズものも4作目ともなれば、色々と新機軸を出してこないとあきられてしまいます。ところがこの「リーサル・ウェポン」シリーズは妙に路線変更をしないであくまで連続ものとしてのドラマを見せながら、アクションシーンにたっぷりお金をかけて娯楽映画の王道を行く作りになっています。まず見世物として見所をたっぷりと盛り込んで、その上で演技派と呼べる役者で、コメディ、友情、ホームドラマを過不足なく散りばめていますので、かなり贅沢な作りの映画になっています。特定のジャンルに絞り込まず、かつその各々のハイレベルの面白さで一本の娯楽映画にまとまっているというのは多分、監督のリチャード・ドナーのセンスとバランス感覚なのでしょう。特にコミカルな台詞のやりとりなどのお笑いの部分は、前作の「3」がちょっとはしゃぎすぎという感じでしたが、今回はだいぶセンスのいい笑いになっているように思いました。

回の映画の見所は敵役のジェット・リーでしょうか。かつて「少林寺」の美少年だったリー・リンチェイがチャイニーズマフィアの非情なボスをなかなかのスゴミで演じきりました。また彼のカンフー・アクションの見せ場もありますし(ここも見せすぎず、腹八分目位の見せ具合がにくいというか、うまいというか)その目にも止まらぬ早業がきちんとギブソンやグローバーとの殺陣として見せ場になっているのは、なかなかすごいところです。普通なら、スピード、動きからしても噛み合わないとしか思えないのですが、クライマックスなどそれがきちんと決闘シーンとなっているのには感心してしまいました。

た、今回は脇に回った感のある、レネ・ルッソとジョー・ペシではありますが、ラストのエピローグにかなり長い時間をとって、きちんと見せ場があるのがうれしいところです。特にレネ・ルッソは出番が少ないながら、主人公の二人と同じ呼吸でやりあうあたりは完全にチームの一員になってるのがうれしい限りです。また、ジョー・ペシがちょっと間をはずした天使みたいなポジションになるあたりの脚本の細やかさも微笑ましいものがありました。

して、エンドクレジットは写真のアルバムなのですが、その写真に役者のみでなく、スタッフの面々のスナップがクレジットに合わせて登場するのが楽しい趣向になっています。こんなことをしても、はしゃぎすきに見えないのはシリーズものならではの強みでしょう。結構暴力シーンとか殺人シーンも多い映画なのに、ラストからエンドクレジットの和気あいあいの雰囲気が、見終わってホンワカムードにさせてくれます。

ジャックナイフ
64512175@people.or.jp

お薦め度 採点 ワン・ポイント
◎ 2点2点2点2点0点 クライマックスのジェット・リーが大迫力
2時間余を最後まで楽しませる娯楽映画
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