U.S.MARSHALS
「逃亡者」のジェラード警部が主人公、だから追跡者って、そのまんまじゃん。
1998.6.13 神奈川 ワーナーマイカル茅ヶ崎シネマ4にて |
ェラード警部(トミー・リー・ジョーンズ)のチームが苦労してとっ捕まえた凶悪犯の護送に、上司(ケイト・ネリガン)の命令で、警部自らおともする羽目になってしまいます。ところが、その護送中の飛行機内で銃撃戦が始まってしまい、飛行機は胴体に風穴があいてしまい、沼地に不時着してしまいます。それに乗じて、護送犯の一人シェリダン(ウェズリー・スナイプス)が脱走をはかります。現地の警察を使って道路封鎖でつかまえようとするジェラードに対して、シェリダンはなかなかに網にひっかかりません。追いついた時は逆に撃たれてしまいます。そこへ連邦保安局の連中がやってきて、奴は極秘の仕事についていて、捜査官を殺した男だいうじゃありませんか。そうなると一筋縄ではいかない相手です。それに、シェリダンはただ逃げ回っているのではなく、何かを追ってるようなのです。彼の恋人(イレーネ・ジャコブ)まで巻き込んでの大追跡劇の顛末は如何に?!
作「逃亡者」で、その追っかけぶりが好評だったジェラード警部を主人公に持ってきたいわゆる姉妹編です。(こういうのスピンオフって言うんでしたっけ。)前作でも部下を率いてテキパキと行動するジェラードのカッコ良さは相変わらずです。編集と演出のテンポが大変よくて、ジェラード・チームが無駄なく、遊んでる奴もいないでフル回転している様子を見事に描ききりました。中盤、中国領事館から墓地へ、そして老人ホームへと移動するチームでの追跡劇が圧巻です。そうか、チェイスシーンもこうやって見せればまた別の興奮があるんだと、感心してしまいました。
の発端は飛行機の不時着でして、ここは視覚効果の見せ場になっておりまして、大仕掛けのスペクタクルで話が始まるところは、「逃亡者」の列車衝突シーンを思いださせます。この辺りまでは前作を意識しているのかとも思ったのですが、その後はジェラード・チームの動きを中心にして、スピーディな追っかけを展開していきます。演出も時間の省略をうまく使って、次から次へと手を打っていくジェラード・チームの動きの機敏さを際立たせています。
回の逃亡者はどうも裏の仕事をしていたプロフェショナルらしくて、前回のムチャする医者よりはかなり手強い相手です。それに保安局の連中も何か隠してるみたいだし、ジェラードもただ単に彼をとっつかまえるだけでは済まないような展開になってきます。このあたりから単に追う者追われる者のドラマから、ミステリーの要素が強くなってきます。なぞ解きの部分は若干粗っぽいところもあるのですが、テンポよい展開に乗せられてしまうと、少しくらいのアラは気になりません。
た、チームプレイの部分が今回は大きな比重を占めておりまして、チームの皆さまはそれぞれに好演しています。「バウンド」以来すっかりファンになってしまったジョー・パントリアーノは、軽そうだけど頼りになる部下を適役適演という感じで演じています。また、上司のケイト・ネリガンが見事にハマッタキャスティングでして、文句は言うけど、いざという時は飛んできてみんなをフォローする頼りになる上司を、女性の魅力と仕事の力とを併せ持つキャラクターとして演じきりました。一方、無理矢理チームに割り込んだロバート・ダウニーJrは坊ちゃんタイプだけど、何だか得体の知れない雰囲気です。
近の映画の傾向なのでしょうか、この映画も2時間11分とかなり長い作品なのですが、展開の面白さと演出のうまさで一気に見せてしまうパワーがあります。でも、パワーと言っても力技で押し切るだけではありません。役者を要所要所できっちり使いこなした上でのことですから、パワーというより底力と言った方がふさわしいでしょう。そして、クライマックスを派手なアクションにしなかったあたりに作り手の自信を感じました。
ジャックナイフ 64512175@people.or.jp
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面白追っかけ活劇の典型、よく動き頭も切れる者が追い、追われる。 チームを描き込んだおかげで大味になってません。 |
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