-Sphere-
ベストセラー作家マイケル・クライトンが一流のスタッフを集めて自作を映画化、深海に潜む未確認物体の恐怖を描く。
スティン・ホフマン、シャロン・ストーン共演の深海SFモノ「スフィア」を見てきました。雑誌等の評判はあまり良くなかったのですが、私はホフマンの永年のファンということもあり、とりあえず見てみるかーという軽い気持ちで出かけました。
は「海底2万マイル」や「惑星ソラリス」などの古典的SFの知識がほとんどないのですが、今回はそれが逆に幸いしてか、この映画は意外と面白かったです。このジャンルではそう珍しくもないらしい「内面との戦い」という発想も、SFド素人の私にとっては新鮮に感じました。
トーリーは心理学者のノーマン(ホフマン)が政府の要請で太平洋のはるか沖合いに呼び出されるところから始まります。そこにはかつての教え子であり生化学者のベス(ストーン)や古い知り合いの数学者ハリー(サミュエル・L・ジャクソン)ら各分野の専門家たちの姿もありました。指揮官のバーンズ(ピーター・コヨーテ)によると、深海に謎の物体が沈んでおり、その物体からはわずかながら生物反応が見られるというのです。
ッサクなのは、「異生物との接触」という人類の歴史始まって以来の重大な調査が、ノーマンがかつてブッシュ政権の時に書いたというカビの生えそうな論文を元にしているという点。どうせ「異生物との接触」など起こるはずもないと思っていた彼は、論文にSF小説のアイデアを盗用したり、調査団のメンバーとして知り合いの名前を適当に推薦したらしいのです。けれどそれが現実となってしまい大あわて。結果、実に頼りない調査団が結成されてしまったのでした。
像的には全編を通して狭い調査船の中や重苦しい潜水服を着たシーンが続くため、見ているほうもなんだか息苦しくなってきます。それに加え、姿の見えない未知の恐怖が調査団同志の疑心暗鬼へとつながり、誰が正常で誰が異常なのかだんだんわからなくなってゆく無気味さも加わります。この辺の怖さはサスペンスというよりもスリラーに近いですね。
人の学者たちがまたたく間に潜水技術をマスターしてしまうとか、前代未聞の大掛かりな調査のわりには話のスケールが妙に小さいとか、ホフマンとシャロンがかつて恋仲だったようには見えないとか、文句を付けたいところはいろいろあるのですが、原作があのマイケル・クライトンだけあって、着想が大変面白いです。出演者の中ではサミュエル・L・ジャクソンが得体の知れないキャラクターをよく演じていたと思います。ホフマンは可もなく不可もなし。残念なのはシャロンでして、知性においてもその存在感においても「コンタクト」のジョディー・フォスターには遠く及びませんでした。まぁ、彼女と比べるなんてシャロンには気の毒な話なのですけれど。
魔女っ子★マキ 88721053@people.or.jp
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ショックシーンはほとんどないけれど結構ドキドキします。 着想は面白いが結末のつけ方がイマイチ。 |
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