夢inシアター
みてある記/No.54

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ディアボロス
ディアボロス

-DIABOLOS-

若き弁護士キアヌー・リーヴスがスーツ姿もバッチリ決めて、アル・パチーノの恐るべき悪と対決する。

1998.4.21 新宿ピカデリー1にて


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ラーなのかSFなのか、はたまたスリラーか?
予告編を見た限りではどんな内容なのかさっぱり分からなかった「ディアボロス」を見てまいりました。

演はキアヌー・リーブスとアル・パチーノ。キアヌーは野心に燃えた若き弁護士ケヴィンを演じ、久々にスマートなスーツ姿で実に凛々しいです。「スピード」のクリーンでシャープな彼の魅力にシビれた女性ファンは必見の映画です。

て物語ですが、フロリダで連勝記録を更新中のケヴィンは、アル・パチーノ演じるミルトン法律事務所にその手腕を買われ、破格の条件で引き抜かれました。このあたりの最初の展開はトム・クルーズ主演の「ザ・ファーム」に大変似ており、また主人公が弁護士としての栄達と倫理感との狭間で苦悩するところなどは、リチャード・ギアの「真実の行方」を連想させます。

メアリー・アン(チャーリーズ・セロン)と共に希望に燃えてNYにやって来たケヴィンですが、「ザ・ファーム」同様、うまい話には裏があったのでした。最初は豪華なマンションでの贅沢な暮らしに有頂天だったメアリー・アンは、ケヴィンが仕事に没頭するにつれ次第に精神不安定になってゆきます。彼女は会社の同僚の妻の顔が化け物に見えたり、見知らぬ赤ん坊の幻影に悩まされるようになるのですが、ケヴィンは仕事にかまけて妻の言う事を本気にしようとしないのでした。

いうわけで、残念ながらストーリー紹介はこの辺まで。ただ、一流の俳優を集めてこんな映画作りましたか〜と、ちょっと感心するような内容であることは確かです。反面、一流どころを集めただけにいまひとつ踏み込みが足りない部分もあって、エンターテイメントとしてはいささか不燃焼の感は否めません。もっとも徹底的にやってしまうと超おバカなB級ホラーになってしまう恐れもあるのですが(もちろんこの映画はホラーではありません)。

律事務所のオーナーでありどこか得体の知れないところのあるミルトンを、アル・パチーノが例によってケレン味たっぷりに演じています。そのデフォルメされた演技はまるで歌舞伎の荒事みたいで、見ているだけで愉快です。キアヌーの小さくて整った顔と、パチーノの般若顔を交互に見比べるだけでも飽きません(^^;)。ただ、パチーノの演技が面白すぎて、怖いお話なのに恐くなくなっちゃったのがちょっと惜しい!

ヴィンの妻を演じたチャーリーズ・セロンは、とってもセクシーな女優さんです。それがNYにやって来てみるみるとやつれてゆきます。特別なメイクをしているわけではないのに、同一人物とは思えないほどのやつれようは、彼女の演技力によるものでしょう。

お、この映画はミルトン法律事務所の屋上など、本筋と関係ないところに結構手の込んだSFXを使っています。こちらの映像もじっくりとお楽しみください。

魔女っ子★マキ
88721053@people.or.jp

お薦め度 採点 ワン・ポイント
○ 2点2点2点1点0点 スリラーとしてはイマイチだけど話のネタとしては面白いです
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