夢inシアター
みてある記/No.51

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ビーン
ビーン

-Bean-

TVシリーズで人気の「Mr.ビーン」が海を越えてハリウッドに。おヨソの国なので猫をかぶりながらも、やっぱりやることなすこと迷惑ばかり。彼の巻き起こす破滅的騒動もさらにスケールアップ。

1998.3.26 新宿東急にて


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Vの深夜放送で人気の出たTVシリーズがついに劇場版として登場したわけですが、番組でおなじみのテディーや愛車のミニクーパーなどのキャラクターグッズは今、売れに売れているそうです。

画版のMr.ビーンは、ついにアメリカに上陸。海を渡った彼は、TV版とは微妙に違うキャラクターになっています。まずこのビーン氏、本来はケガ人や病人、子供、動物など弱者に対して意地の悪いところがあるのですが、映画版では結構ヒューマンな奴になっております。それどころか自分のしでかした失敗をしおらしく反省したりして、そんなところがオリジナルの「9才の心を持った中年男」の面白さからちょっとはずれてしまったように思いました。おまけに映画版ではビーンのスピーチシーンがあって、ほとんどセリフのないオリジナルと比べると、まるで別人みたいな口数の多さです。

いうわけで、ビーンが妙に「いい奴」になってしまったのはちょっと残念ではありましたが、それでも大いに笑える楽しい映画でした。特にビーンのオリジナルを知らない人が見ると文句なく面白いと思います。アメリカ的なハートフルストーリーの中にたくさんのギャグが登場するのですが、その部分はオリジナルの味わいそのままになっております。中にはオリジナルのネタをそのまま使っているところもあるので、テレビ版のファンの方はパロディー探しをぜひ楽しんでください。

と、アメリカのカルチャーを皮肉るなど、いかにもイギリスコメディーらしいセンスが伺えるギャグがいろいろあったのも愉快でした。また、美術館の守衛にすぎないビーンが、ひょんなことから美術の大家と勘違いされ、名画「画家の母」の解説スピーチをするハメになる場面。ほとんど口をきかないビーンがスピーチなんて!と、観客までハラハラしてしまうのですが、いかにもアメリカっぽいヒューマンドラマの展開の中でもこの部分だけは「9才の知能」ならではの味わいが良く出ました(でもスピーチなんて、やっぱりビーンらしくないなぁ)。

魔女っ子★マキ
88721053@people.or.jp

お薦め度 採点 ワン・ポイント
◎ 2点2点2点0点0点 ハリウッドに媚びない続編をぜひ作って!
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