-Mouse Hunt-
ネズミ君が大暴れのドタバタコメディ、SFXと達者な演技陣でお楽しみ。
1998.3.8 神奈川 ワーナーマイカル茅ヶ崎シネマ6にて |
ーニー(ネイサン・レイン)とラーズ(リー・エヴァンス)の兄弟は、父親からの遺産が、潰れかけの製糸工場と借金のカタに取った古い屋敷しかなくってガッカリです。アーニーが経営していたレストランはゴキブリ騒ぎで潰れちゃうし、製糸工場の売却も思うように進みません。ところが古い屋敷が世界的に有名な建築家の手になるものだったものですから、こいつの価値がグーンとアップ。これを高い値段で売り払おうという兄弟でしたが、その屋敷には先住者がいたのです。それは小さなネズミ君、ところがネズミ獲り位ではこのネズミ君を捕まえることができません。ネズミ君が賢いのか、兄弟がアホなのか、果たしてアホ兄弟は蕪事に屋敷を売り払うことができるのでしょうか。
いお屋敷を売ろうとしてやってくるバカコンビとそれに立ち向かう先住者、「ホーム・アローン」や「キャスパー」なんかと同じシチュエーションです。侵略者対先住者で、侵略者がとびきりオマヌケというパターンでいうと「マーズ・アタック」とも通ずるものがあるのですが、その闘いのドタバタを、CF出身のゴア・ヴァービンスキー監督が非常にテンポよくスマートにまとめました。一呼吸置いた間の面白さはなかなかに買いです。
欲なアーニーとお人好しのラーズというデコボココンビが役者のうまさで笑わせてくれます。それほど悪い奴じゃないけど、ネズミ君からすれば侵略者です。ネズミ君が壁の裏、パイプの隙間を縦横無尽に走り回るのをSFXを駆使して、スピーディな見せ場にしています。なるほど、CGとかいった視覚効果もこういう使い方もあるのかと感心してしまいました。この映画では本物のネズミと、アニマトロニクス(機械仕掛けの人形)そしてCGを使い分けて、チョロチョロと動き回るネズミ君を見事に映像化しています。
ープニングはアホ兄弟の父親の葬式のシーンから始まり、棺桶の取っ手が外れてしまって××××.....という結構ブラックな笑いで幕を開け、次のゴキブリ騒ぎも結構エグイ展開を見せて、ブラックな笑いで突っ走るのかと思っていると、後半は結構まともなホームコメディの趣向を積み重ね、ラストはなかなかに意外な落ちをつけてくれます。アホ兄弟が単なる悪役でなく、きちんと主役としてのキャラクター付けがされているので、単なるやられ役に終っていないところが、この映画のいいところです。
向的にはアニメというか漫画的なものが多くて、特に製糸工場の内装や設備、そして従業員たちも何だかリアリティがありません。従業員が事務所に押しかけるシーンなぞはまるでアニメみたいです。お屋敷のドタバタも、キャジラなる猫とネズミ君の追いかけっこはモロ「トムとジェリー」ですし、煙突から花火のように、アーニーが打ち上げられるシーンなど完全にアニメ的ディフォルメが施されています。絵的な面白さを狙った節はかなり見受けられまして、このあたりがCF出身監督のカラーなのかなと思ってしまいました。
た、ネズミ君自身に無理に人間的なキャラクターを与えていないのには好感が持てました。最後まで人間をなめた態度をとってるのがネズミらしくていいです。ミッキー・マウスほどの愛敬はこいつにはありません。私から見ますと全然カワイイキャラクターになってないのですよ。それでも女の子なんかは「カワイイー」なんて言うのかなあ。でもそのおかげでアホ兄弟に人間的な奥行きが出ました。
ー、ともかくも、人間(アホ兄弟)対ネズ公の対決を「あははは、バカだねー」と楽しむ映画です。説教臭さもないし、最近の映画によくある「家族の大切さ」云々という映画でもありません。(全然ないわけじゃないけど、まあオマケみたいなもの)正統派ドタバタというべきドラマを達者な役者陣がうまく支えています。
ジャックナイフ 64512175@people.or.jp
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主役のアホ兄弟がうまいので、最後まで安心して見てられます。 強引だけど、うまいオチにまとめてます。 |
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