夢inシアター
みてある記/No.45

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ミミック

MIMIC

『誘惑のアフロディーテ』のミラ・ソルヴィーノ主演。肉食生物が人間に「擬態」することを身に付けたら…。

1998.1.25 マイカル松竹シネマズ本牧1にて


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トリックラー病が猛威を振るう近未来のニューヨーク。非常に致死性が高いこの病気に感染し、多くの子供が命を落としていた。ウィルスの感染源(キャリア)がゴキブリであることは突き止められたものの、薬剤による治療の見通しは全く立っていなかった。
CDC(米疾病管理センター)の部長ピーター(ジェレミー・ノーサム)に協力を求められた昆虫学者スーザン(ミラ・ソルヴィーノ)は、蟻とカマキリの遺伝子を組み合わせた、新種の昆虫を作り出す。この昆虫の出す酵素がゴキブリに死をもたらし、めでたくストリックラー病は沈静化に向かった。二人は結婚し、救世主となった昆虫は「ユダの血統」と命名される。
それから数年。子供達が地下で見つけた昆虫をスーザンのもとへ持ってくる。その姿は「ユダの血統」に酷似していた。「まさか…」。遺伝子操作で、6ヶ月以内に全てが死に絶えた筈の虫を目の前にして、スーザンは不吉な思いに囚われる。
「ユダの血統」は、遺伝子操作の影響で急速に突然変異を繰り返し、思いもよらない形へと進化していた。天敵である人間の姿を真似て…。

『ジ
ュラシック・パーク』の「生き物は道を見つける」+『レリック』の「突然変異」の様なネタではありますが、面白かったです。実際にウィルスに人為的に別な遺伝子を組み込んで難病の治療を行うこともある現実を目の前にすれば、それ程突拍子もない設定ではありません。
もっとも、進化自体は自然界の淘汰の中で推し進められるものでしょうから、人間に知られずに「突然変異」だけでこんなに都合の良い姿になってしまうところは、やっぱり「お話」です。
さて、擬態にも色々な種類がありますが、素材に使われた「カマキリの擬態」と言う設定がちゃんと生かされているところがいいですね。カマキリは草や花に擬態してじっと動きを止め、近づく昆虫に突然襲い掛かります。『ミミック』の怪物もそれと同じ様な性質を持っている訳です。完全に人間の姿になりきってしまう訳ではなく、「一見すると人間みたい」なのです(元が昆虫なので、羽もあれば脚も6本ある)。人に見えたものが、突然羽を広げて猛スピードで襲い掛かってくるところは中々の迫力です。
ミラ・ソルヴィーノはこの手の映画は初挑戦ですが、ちょっとぎこちないですね。表情が固まっていると言うか。『誘惑のアフロディーテ』や『ノーマ・ジーンとマリリン』で見られる様な人間臭さが出ていないのが残念です。
全体にドロドロ系の映画ですから(巨大な虫をばらしたりする)、人によってはそれなりの覚悟がいるかも知れません。

TAR
84789734@people.or.jp

お薦め度 採点 ワン・ポイント
○ 2点2点2点0点0点 昆虫版「エイリアン」と言った感じ。
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