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カチンコ エアフォース・ワン

魔女っ子★マキ
(88721053@people.or.jp)
'97/12/11 本八幡スカラ座にて
空飛ぶホワイトハウス、エアフォース・ワンがハイジャックされた。家族と側近を人質にされた大統領が、たった一人で冷酷無比なテロリストたちに闘いを挑む!

「タイタニック」と並んで年末・年始最大の話題作、「エアフォース・ワン」を見て来ました。ジャック・ライアンシリーズでどんどん偉くなってしまったハリソン・フォードが、今回はいよいよは大統領になってテロリスト達と果敢に戦い、しかもジャンボ・ジェットまで操縦してしまうのですから、「インデペンデンス・デイ」のビル・プルマンもびっくりですね。

ストーリーはしごく単純明解、要するにロシアのテロリスト達に大統領専用機AFOがハイジャックされ、仲間の釈放を要求、妻子や側近たちを人質に取られた大統領がたった一人で戦いを挑む!というお話です。

こうしてストーリーだけを見てみると大筋は「エグゼクティブ・デシジョン」に極似しています。ただ、「エグゼクティブ・デシジョン」の場合は、序盤でいきなり有名俳優があっけない展開を見せたこともあり、次に何が起こるか予想のつかないハラハラ・ドキドキの面白さがありました。けれど、「エアフォース・ワン」の場合は、何と言っても大スター、ハリソン・フォードが大統領を演じているんですもの。絶対に彼が死ぬわけがないし、テロリストの要求に屈することもないのはわかり切っています。そういう意味から言えば今回はサスペンス的な面白さは正直言って今ひとつです。

一方、ストーリーの展開とは別にお楽しみの部分がいろいろあります。まずは大統領専用機エアフォース・ワンの内部について。もちろん本物のほうは警備の問題もあり非公開となっていますが、映画のセットはかなり本物に近いリアルなものだそうで、私達観客は映画を見ながらエアフォース・ワンの内部をゆっくりと見物できるという寸法です。次に私が面白いなぁ、と思ったのは大統領の家族構成です。なぜか映画に登場する大統領一家はほとんどが娘一人の3人家族。奥さんの髪はブルネットで知的な雰囲気です。いえ、これはこの作品に限らず、ハリソン・フォード主演の映画で彼の妻を演じる女性は不思議とこのタイプが多いのが興味深い。もしかしてこれってフォード個人の女性の好みなのかも?

悪役のゲーリー・オールドマンはもっと切れた演技を予想していたのですが、なかなかまっとうな悪役で、一人浮き上がったところがなく渋くまとめていました。でも、あまり恐くなかったですねぇ・・・可愛い目が災いしちゃったかな? 怖い目と言えばやっぱり「エグゼクティブ・デシジョン」のデビッド・スーシェでしょう(^^;)。あと、「ファーゴ」で情けないセールスマンを演じていたウィリアム・H・マーシーが、今回は勇気ある側近を演じていたのも印象に残っています。

ただ、側近たちやF−15が大統領の命を救うための盾となる場面は、時代劇の殿様でもあるまいしと、ちょっと違和感が残りました。アメリカの人はこういうシーンを見てどう感じるのでしょうね?

お薦め度 採点 ワン・ポイント
〇 2点2点2点1点0点 すべてが優等生的なエンターテイメント