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クリスマスイブのロス行きのTC47便で、連続殺人犯と銀行強盗の二人の容疑者が護送されることとなりました。シーズンのせいかお客はまばら。そこに乗り込む連邦保安官と容疑者二人、連続殺人のウェーバー(レイ・リオッタ)は自分の無実を主張してます。嵐が近づいていて、ちょっと危険な空模様で、いやな予感です。1万メートルの上空で強盗殺人犯の方が保安官と銃撃戦を始めてしまって、おまわりさんは全員死亡。さらにあおり食らって、機長と副操縦士も死亡。コクピットに残されたのは、スチュワーデスのテリー(ローレン・ホリー)唯一人。管制室からの誘導で何とか着陸させようとするのですが、機内にはもう一つの厄介事が残っていたのです。外は嵐、撃墜のために戦闘機もやってくるし、果たして無事に生きて帰る事はできるのでしょうか。 ちょっと地味目に公開されてますけど、結構お金のかかったサスペンスものです。タイトルトップのレイ・リオッタが着陸にどの程度お役に立つかってところがミソの作品です。舞台のほとんどがジャンボジェット機の中と管制室のみで、空間限定のサスペンスということもできます。無事に着陸させようとするヒロインに、戦闘機は忍び寄るは、機内で火災が発生するは、自動操縦機能が壊されるは、様々な困難が立ちふさがるのです。最初、弱々しそうなローレン・ホリーが「ダイ・ハード」なみのタフなキャラクターになっていくあたりは結構見応えがあります。 スペクタクルとしての見せ場もおさえてあります。着陸に失敗して、ホテルに激突しそうになるシーンや管制塔をかすめて飛ぶシーンなど、リチャード・エドランドのボス・フィルムが担当しているようで、なかなかにリアルで見応え有ります。また嵐の中を飛ぶ旅客機内の描写で、揺れたり上下ひっくり返ったりする特殊効果など、SFXにいろいろ趣向をこらしています。 クライマックスはうまく着陸できるのか、ダメなら撃墜されてしまうという極限状況でのヒロインの頑張りが見所となります。テリーが、戦闘機のパイロットに向かって、お願いだからもう一度チャンスを与えてくれと訴えるあたりが泣かせます。最近の旅客機は自動操縦が発達していて、必ずしも直接に操縦できなくとも、コンピュータにデータを入力できれば着陸させることが可能なのだそうです。だから、ど素人のテリーでも着陸させることは不可能ではないのです。管制室からの指示でなんとか着陸できる筈なんだけど、実際そうはいかない事情が出てきちゃうところは、劇場でご確認の程を。地味なキャストで、大作というのとはちょっと違うのですが、色々と趣向をこらして1時間35分をきっちり楽しませてくれます。
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