みてある記 ロゴ25pt.

カチンコ インデペンデンス・デイ

ジャックナイフ
(64512175@people.or.jp)
'97/1/1 日本劇場にて
1997年お正月映画の大ヒット作。SF、アクション、ラブストーリー、戦争モノ、破壊スペクタクル、国策プロパガンダまで、ありとあらゆる要素をぶち込んで描く、筑前煮(なんじゃそりゃ)のような大娯楽巨編。

Will Smith ある日、巨大な円盤群が地球の空を覆います。そして、なんと問答無用の攻撃をしかけてくるではありませんか。世界の主要都市は壊滅状態です。核攻撃にもビクともしない宇宙人軍を倒す秘策はあるのでしょうかというストーリーです。これ、色々とケチつけようとすると、いくらでもつけられますけど、ともかくハデな見せ場の連続で損はさせませんという映画です。
その昔、東宝怪獣映画を思わせる要素が多い映画でもあります。オープニングの物々しさに始まって、ミニチュアセットの盛大な都市破壊シーン、そこでは殺される市民の顔がキチンと描かれますし、さらにワキ役の細やかな扱い、人の出会いの御都合主義など、ちょっとうれしくも懐かしくなるようなエピソードが散りばめられています。この監督が「ゴジラ」を撮るって話があるので、結構期待しているんですよ。
Jeff Goldblum そして、極めつけは、宇宙人の攻略法の適度な胡散臭さ。なにしろ敵をやっつける方法は「なんとなく納得できる」理論で武装されていないといけません。完璧に理解できる理論では何を今さらですし、かと言って説得力ゼロのチンプンカンプンなのは論外です。そこはかとなくホントっぽくって、でもよく考えると何かヘン、この辺りのさじ加減が肝心でして、この映画の場合はなかなかイイ線いけてるのですよ。
この映画の面白さは、敵方の宇宙人が徹底的に邪悪なやつだということです。「エイリアン」なんかよりも人間臭いキャラクターを持っているのですが、でもいわゆる悪人なんですよ。ですから、これは仮想敵国としての位置づけもできてしまうわけでして、アメリカの国家プロパガンダのように見えてしまう人もいらっしゃるでしょう。ただ、それでも面白くできちゃってるってところが、アメリカ映画の底力を感じてしまいます。

お薦め度 採点 ワン・ポイント
◎ 2点2点2点2点(8/10) 湾岸戦争にインスパイアされた怪獣映画って感じかなあ
大画面、大音響の映画館で観ることをオススメ